「我々の願いは、この素敵な道具が叶えてくれる」
↓ 1- 覧 板 20
26: ◆dTsdr7bVTg[saga]
2019/08/18(日) 22:29:35.26 ID:All9ssB20
側近「それは確か、人間の王国で広まっているという石版ではありませんか?」
魔王「ふむ、魔石を削りだして、初歩的な伝心魔法を使えるようにしたものだな」
側近「王国中に広まっていると聞いたときは、私も穏やかではありませんでした。何しろ、伝心魔法は我々魔族でも限られたものにしか扱えない高等魔法なのですから」
魔王「我が、それを王国中に広めたのだ」
側近「な、なんてことを……! 高等魔法なのですよ!」
魔王「高等魔法だからこそ、だ」
魔王「伝心魔法は、我々魔族でも限られたものしか扱えないし、術車同士でしか伝心を行えない、非常に不便な魔法だ」
側近「それが原因で、魔王軍の編成は困難を極めてですね……」
魔王「それでいいのだ」
魔王「情報を瞬時に伝えるには、伝え手と聞き手の双方に瞬時の分析力と判断力が求められるのだ。誰もが扱っていい魔法ではないのだ」
魔王「そんな魔法を、何の耐性も持たぬ人間に広めたらどうなるかと思ってな」
魔王「案の定、民は情報を得て暴走し、王宮はそれに対する守りに汲々として身動きが取れなくなった」
魔王「神風でもなんでもない。人間は、我の作った魔法石版を用いて、せっせと自分達の未来に終止符を打とうと頑張っているのだ」
魔王「我々の願いは、この素敵な道具が叶えてくれる」フハハ
28Res/24.92 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20