143: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/23(水) 02:19:05.90 ID:0ARiWsal0
私はやはり怒っているのだろう。ありとあらゆる、様々なことに。身の回りに普く不幸や、助けられなかった誰かや、これからまみえる戦火に包まれた海に。
生きることは辛いことの連続だった。ただ、それでも、辛いことに慣れたことは一度もなく、そして生きたくないなんて思ったことも一度たりとてない。負けてばかりの人生だが、人生と敗北を等号で結びつけるような人間ではない。
苦しく死ぬか、楽に生きるか。
後者を選ぶには、私は少し、不幸に過ぎた。
きっとこの怒りをぶつける矛先を探しているのだ。
頭上の拳を振り下ろし、勝ち取ってこその人生なのだ。
目指すは役満、国士無双。
ツモは進んでいく。河は二段目へと差し掛かり、山も半分近くが消えた。發は出ない。シャンテンも変わらない。發、東、一萬が対子の十種十三牌。残るは白、南、九筒。
「クソ、どうする……?」
提督が唸る。舌打ちをして、手牌をじっと眺め、そして一枚に手を懸けた。
「どうだっ」
發。
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