155: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/02/19(水) 21:19:04.27 ID:5AFgp54J0
「来たばっかりのころ、わぁ、もう、ずーっと、こう、こうだったんですからぁ」
眉を吊り上げてみせる。寡黙なしかめっ面。
「ドイツ軍人はみんなそうなんですかね? いや、軍人とはかくあるもの、なんでしょうか」
「そんなにひどかったの?」
「上司の命令はぁ、ぜったーい! なんでーす」
相変わらずふわふわほわほわした調子でポーラ。
「そんなのつまんないじゃないですかぁ? ねー? 山城さんもそう思いますよねーえ?」
私は大淀を見た。海軍のスパイを、同時に空軍の頼れる味方を。
選ぶことができる、というのは大切なことだ。そこには当然苦しみも併存している。選択に限らず、私たちの全ての行為には責任が伴い、痛みも生まれ、だからこそ踏み出す一歩が力強くなるのである。
大淀は選んだ。不知火と大鷹も、全てを失ってなお戦いに身を投じることを選んだ。ポーラは……。
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