【アイマス】真「目を閉じて見るハッピーエンド」
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24:名無しNIPPER[saga]
2019/10/24(木) 21:18:55.31 ID:w1xTLu/tO
  
  そんな私にとって、真ちゃんの「ボクも雪歩と“同じ”だよ」という告白は正に青天の霹靂だった。見知らぬ惑星で同じ人間を見つけたように。 
  
 〈まさか、そんなのあり得ない。 
 明るくて元気が良くて、男の人からも女の人からも愛される真ちゃんが私なんかと“同じ”なわけない……〉 
25:名無しNIPPER[saga]
2019/10/24(木) 21:21:32.43 ID:w1xTLu/tO
  告白されるのが嫌なのは、相手が私に愛情を求めてくるから。 
  告白してくる男の子はきっとこう考えてる。(今は片想いだけど、いつか俺のことを好きになってくれるはず)、と。 
  
  でも、そうはならない。愛情の天秤は一方に傾いだままいつまでも動かない。 
  
26:名無しNIPPER[saga]
2019/10/24(木) 21:23:40.60 ID:w1xTLu/tO
  
  理屈に合わないことを考えているのは自分でもわかっていた。私を好きじゃない人が私と付き合ってくれる理由がない。 
  
  それでも……私は誰かに傍にいて欲しかった。 
  
27:名無しNIPPER[saga]
2019/10/24(木) 21:27:20.92 ID:w1xTLu/tO
  
  真ちゃんというパートナーを得て、私は変わった。 
  
  付き合ってからすぐに私たちは恋人の真似事を始めた。本当に恋人になったのに“真似事”と言うのは変な気もするけれど、そうとしか言いようがない。 
  
28:名無しNIPPER[saga]
2019/10/24(木) 21:35:56.60 ID:w1xTLu/tO
  
  何度体を重ねてみても真ちゃんに愛情を覚えたりはしなかった。真ちゃんだってそう。ただ、快楽だけが存在していた。 
  
  私の体を知り尽くした真ちゃんに感じやすい部分を弄られながら、耳元で中身の無い愛の言葉を囁かれるのが好きだった。そんな時、私は“愛”には何の意味も無いと安堵した気持ちになって、快楽だけに身を任せることが出来たから。 
  
29:名無しNIPPER[saga]
2019/10/24(木) 21:37:10.10 ID:w1xTLu/tO
  
  私は、私が嫌いだ。 
  
  他人を愛せない自分が嫌い。 
  ファンに嘘の言葉と笑顔しか見せられない自分が嫌い。 
30:名無しNIPPER[saga]
2019/10/24(木) 21:39:03.46 ID:w1xTLu/tO
  
  真ちゃん 
  
  真ちゃんが私と同じだと知った時、私がどんなことを考えたか知ってる? 
  
31:名無しNIPPER[saga]
2019/10/24(木) 21:41:52.11 ID:w1xTLu/tO
  
  真ちゃんと付き合って気付いたことはもう一つあって…… 
  
  私は可哀想な真ちゃんに恋人として話したり触れたりする時、真ちゃんを通して自分を見ていたの。 
  
32:名無しNIPPER[saga]
2019/10/24(木) 21:44:39.06 ID:w1xTLu/tO
  
  もう、真ちゃんがいない生活なんて考えられない。孤独な時間がどれほど空虚なものなのか、私は知ってしまった。 
  
  どうしようもなく哀しくて 
  どうしようもなく虚しくて 
33:名無しNIPPER[saga]
2019/10/24(木) 21:47:52.33 ID:w1xTLu/tO
  
  自分でも分かってるんだよ。こんな恋人の真似事を続けても何にもならないって。一瞬だけ満たされた後、一人になった時はもっと虚しくなるだけなのに、止められない。 
  
  だって、たった一瞬だけ満たされるその瞬間が、人生で一番幸福な時間だから。自分から幸せを手放せるほど、私は強い人間じゃない。 
  
34:名無しNIPPER[saga]
2019/10/24(木) 21:53:37.28 ID:w1xTLu/tO
  
 「真ちゃん」 
  
  体を重ねている最中、世界中でただ一人私を幸せにしてくれる人の名前を呼ぶ。 
  
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