【アイマス】真「目を閉じて見るハッピーエンド」
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76:名無しNIPPER[saga]
2019/10/26(土) 21:50:05.20 ID:2J4DKF4t0

 キスやハグのような恋人じみた行動をするワケは、要するに駄々っ子だ。
 欲しくて欲しくて仕方のないものが手に入らない雪歩は、愛情を侮辱することで心の平衡を保っている。

『酸っぱい葡萄』に出てくるキツネじゃないんだからさ……と呆れた振りをしたいけれど、心は思った通りには動いてくれない。

 雪歩がボクに「好き」と言う度に、黒い仮面が現れる。ボクを“好きじゃない”という何よりも確実な証。

 ボクはそれを見る度に、心に実体が存在する事を確信する。
 猛禽類が持つような鋭い爪が心をガリガリと抉り取っていく痛みを確かに感じるからだ。

 だけど勿論、雪歩は何も悪くない。
 全ての始まりはボクの嘘。
『ボクも雪歩と“同じ”だから』

 その嘘を信じ、雪歩も嘘を吐いた。
 そしてボクの嘘は嘘ではなくなった。

 ボクの「嫌い」という嘘
 雪歩の「好き」という嘘

 嘘で成り立つ関係だ。
 真実など、どこにもありはしない。




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