尾頭ヒロミ「私が巨神兵の母親になります」安田龍彦「冗談ポイですよ、尾頭さん」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/07(木) 21:54:45.04 ID:/nmY5k+wO
「ああ、矢口さん。お久しぶりです」

旧知の安田龍彦は気安い笑顔で挨拶をした。

「久しぶりだな、安田くん」
「すみませんね、うちの主任が」
「君達は今でも良いコンビみたいだな」
「コンビっていうか、もう夫婦? みたいな」

などと言いながら、安田は尾頭の肩を抱く。

「やめてよ、人前で」
「目が覚めましたか?」
「あなたと違って私は寝ぼけてない」
「またまた、そんなこと言って。寝ぼけてベッドの中でよく僕と矢口さんを間違える癖に」
「やめてったら!」

どうやら彼らは今や男女の仲らしい。
無関係な矢口は名前を出されると気まずい。
なので咳払いをして閑話休題。話を元に戻す。

「尾頭さん、さっきの話だけど……」
「はい、なんですか?」
「母親というのはどういう意味だ?」
「言葉通りの意味です。成長を促して、巨神兵を兵器として完成させるつもりです」

尾頭研究員の説明はどうにも要領を得ない。
どうしたものかと矢口が首を捻っていると。
すかさず安田が補足説明を入れてくれた。

「母親というのはあくまでも比喩表現でして、実際の意味合いとしては巨神兵が自律行動可能になるまで内部のコクピットに乗り込むパイロットに尾頭さんは志願しているんですよ」

なるほど。そういうことか。
得心はいったが、やはり解せない。
研究員の間ではこの胎児は巨神兵と呼ばれているらしく、それについては見たままの印象であるので矢口としても口を挟むつもりはないが、どうやら孵化直後は赤ん坊のようだ。
故に、成長して自律行動が可能になるまで内部のコクピットにパイロットが乗り込み、成長を促して兵器として完成させる必要があると。

そこまでは専門外の矢口にもわかったのだが。

「どうして尾頭さん自ら?」
「この巨神兵は私の子供なので」
「だから、冗談ポイですって。尾頭さん」

この辺りが彼女の研究者たる所以なのだろう。


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