博士「どんな本が読みたいんだい?」ホムンクルス「恋愛……小説が読みたいです」
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10:名無しNIPPER[sage saga]
2019/12/01(日) 23:37:29.77 ID:H1GMKT+vO
「はあ……」

自室で娘達の頭のおかしさに辟易としてると。

「どうかしましたか、博士?」
「ん? ああ、1番か。起こしてすまないな」

すっかり年老いた1番に心配されてしまった。
生きとし生けるものは老いる。それが生命だ。
ホムンクルスとて例外ではなく、寝たきりだ。

博士は自室で年老いた彼女の世話をしていた。

「何か悩み事ですか?」
「いや、娘達のことでな……」
「もう孫みたいな存在ですけどね」
「何を言う。君にとっては姉妹だろう?」

冗談に冗談で返したら、1号は悲しい顔をして。

「私はもう、長くはありません」
「1番……」
「博士はずっと、お若いままですね」

恐らく聞きたくても聞けなかった質問をした。

「私は人の道を外れてしまってね……」
「お聞きしてもよろしいですか?」
「昔、私には君によく似た妻が居てな」

生まれつき色素が薄かった妻。
身体が弱く、長くは生きれなかった。
それでも子供を設けたのたが、娘も弱かった。

「人間は脆い。だから不老不死を目指した」

博士は不老不死となり、長く孤独を生きた。

「しかし、それは間違いだった」
「どうして……?」
「死があるからこそ、生命なのだ」

今まさに命を終えようとしている1番。
それは自然なことで、尊いものである。
かけがえがないからこそ生命は大切なのだ。


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