118: ◆rDMPFYnrzE[saga]
2019/12/04(水) 19:08:39.60 ID:/pT5YGo8o
  
 エンプラ「……さて、それじゃ私もそろそろお暇しようと思う。現在着任している貴方の後輩には、まだまだ補佐が必要だからな」 
  
 指揮官「……上手くやれているか?」 
  
119: ◆rDMPFYnrzE[saga]
2019/12/04(水) 19:09:06.98 ID:/pT5YGo8o
  
 エンプラ「では元指揮官。私はこれで――」 
  
 指揮官「エンタープライズ。最後に一つだけ、教えて欲しい事がある」 
  
120: ◆rDMPFYnrzE[saga]
2019/12/04(水) 19:09:34.09 ID:/pT5YGo8o
  
 指揮官「例えそれが報われない想いかも知れないとしてもか?」 
  
 エンプラ「元指揮官……いや、敢えてこう呼ぼう。指揮官」 
 エンプラ「私達は確かに悩みもする。苦しみも悲しみもする。時には涙も流すだろう」 
121: ◆rDMPFYnrzE[saga]
2019/12/04(水) 19:10:01.59 ID:/pT5YGo8o
  
 エンプラ「指揮官。結末はどうあれ、赤城は心を持って生まれて、貴方を慕うことが出来てきっと幸せだった。私はそう思う」 
  
 指揮官「……強いな、お前は。俺はまだ、そこまで気丈にはなれないようだ」 
  
122: ◆rDMPFYnrzE[saga]
2019/12/04(水) 19:10:28.58 ID:/pT5YGo8o
  
 ―― 波止場 ―― 
  
 指揮官「…………」 
 指揮官「今度こそ、一人だけでの旅立ちだな」 
123: ◆rDMPFYnrzE[saga]
2019/12/04(水) 19:10:55.60 ID:/pT5YGo8o
  
 指揮官「……不思議だな」 
 指揮官「こうして離れていく岸を観るのは、今回で二度目だと言うのに」 
 指揮官「あの時とはまるで見え方が違う」 
 指揮官「……本当の意味で、永遠の別れのようだ」 
124: ◆rDMPFYnrzE[saga]
2019/12/04(水) 19:11:22.33 ID:/pT5YGo8o
  
 ……………… 
  
 ………… 
  
125: ◆rDMPFYnrzE[saga]
2019/12/04(水) 19:11:49.59 ID:/pT5YGo8o
  
 ―― 指揮官宅 ―― 
  
 指揮官(ここが軍によって俺に与えられた家……の筈だが) 
 指揮官(荷物は確かに届いているように見える) 
126: ◆rDMPFYnrzE[saga]
2019/12/04(水) 19:12:16.73 ID:/pT5YGo8o
  
 指揮官「ベルファスト……お前、どうしてここに……」 
  
 「最重要拠点の処理件数の数、合同演習の後始末、赤城様の件……」 
 「これら全てを並列に処理しなければならない母港に、細かい情報の操作が行き届く筈がございません」 
127: ◆rDMPFYnrzE[saga]
2019/12/04(水) 19:12:44.20 ID:/pT5YGo8o
  
 「……二年前のあの日、セイレーンが残したキューブを一目みた時に、私は直感で分かりました」 
 「これは限定的ながらも、願いを具現化する特別な物体であるのだと」 
 「その時は上層部へサンプルとして収奪されるよりは、御主人様の為になるのならと思い、懐へ仕舞い込んでしまったのですが……こうして役に立つなんて、思いも寄りませんでした」 
  
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