ハリー・ポッター「僕の言うことを聞け」ドラ子・マルフォイ「……はい」
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12:名無しNIPPER[sage saga]
2019/12/07(土) 21:33:16.55 ID:kNKMPaOnO
「あなたは傲慢なのね」
「君ほどじゃないさ」

率直に所感を述べると、即座に言い返された。

「私は身の程をわきまえているわ」

当たり前だが、貴族には明確な序列がある。
マルフォイ家はその中でも上位ではある。
けれどあのお方には、逆らうことは出来ない。
どう足掻いても不可。絶対且つ圧倒的な支配。
ドラ子はそんな世界の端に存在していた。

「上位者には逆らえないの」
「上位者って、たとえば?」
「そうね、わかりやすく例えるなら学校の先生とでも言えば、あなたにもわかるかしら?」

すると、ハリーは納得しつつも、不満げに。

「でも、先生にも良い人と悪い人がいるよ」
「だとしても、逆らうことは許されないわ」

きっぱり反論を切り捨てるも、彼は納得せず。

「だけど僕らには自分の意思がある」
「だから、意思ではどうにもならないのよ」
「誰に従うかくらいは自分で決められる」

それはまるで子供の駄々。けれど至言だった。

「もちろん学校の先生に対して面と向かって反抗することはよくない。けれど、どの先生に本当の忠誠を誓うのかくらいは自分で選びたい」
「本当の、忠誠……?」
「それは僕らの自由だ」

思わず聞き入ってしまった。
政治にも携わっている父に聞かせたいくらい。
同い年の男の子の演説はドラ子の胸を打った。

「……あなたはやっぱり傲慢ね」
「君は思ったよりも素直みたいだね」

素直というか、単純というか。それでも。
はいそうですなんて、認められないけれど。
ドラ子が影響を受けやすいことは確かだった。


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