17: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/12/08(日) 21:15:04.31 ID:clFucneV0
はぁ。
短く息を押し出して、再び校庭を見るともなく、眺める。
18: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/12/08(日) 21:20:53.18 ID:clFucneV0
〇
学校最寄りの駅から電車に乗って、揺られること数駅。
19: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/12/08(日) 21:21:20.87 ID:clFucneV0
そのすんでのところで、視界の端に紺の制服に身を包んだ人影を認める。
頭にはこれまた紺の帽子があり、中央には金色のエンブレムが輝いている。
20: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/12/08(日) 21:22:26.12 ID:clFucneV0
〇
男の「それでは、お見せしたい書類もありますので、立ち話もなんですし」という言葉に素直に従い、私は駅からほど近い喫茶店にやってきていた。
21: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/12/08(日) 21:23:49.40 ID:clFucneV0
「渋谷さん、下のお名前はなんて言うんですか?」
「……凛」
22: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/12/08(日) 21:24:59.24 ID:clFucneV0
「では、ここまでは渋谷さんがうちに所属してくれた場合の話をさせていただきましたので」
「……まだあるんですか?」
23: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/12/08(日) 21:26:57.69 ID:clFucneV0
■ 三章 同じように、同じ道を。
古い記憶を紐解いて、胸の辺りがぽかぽかとしてくるのを感じて、自然と口角が上がってしまう。
24: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/12/08(日) 21:28:48.20 ID:clFucneV0
〇
お会計を済ませて喫茶店を出た私は「やるぞ」という気持ちに満ち溢れていた。
25: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/12/08(日) 21:33:05.22 ID:clFucneV0
来客用のスリッパを履いて、それをぺたぺたと鳴らしながらレッスンスタジオの廊下を進む。
数年経ったとは言えど、慣れ親しんだ施設であるため、迷わずに歩き回ることができた。
26: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/12/08(日) 21:33:50.96 ID:clFucneV0
「凛ちゃん、ですよね?」
「みんなその反応、するんですね」
27: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/12/08(日) 21:35:52.54 ID:clFucneV0
「ぴったり、です」
「よかったー。じゃあ、行きましょう」
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