女「私、あなたのことが好きになってしまいました」
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162: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 22:27:07.55 ID:xdKyTgMJ0
 女「……」 
  
 男「……」 
  
 誰も邪魔できないほどの森閑。 
163: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 22:27:33.57 ID:xdKyTgMJ0
 女「……このような顔は、本当は見せたくありません」 
  
 今にも消えてなくなりそうな声を発する。 
  
 女「でも、あなたの望みなら」 
164: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 22:28:17.06 ID:xdKyTgMJ0
 女「変、ですか」 
  
 男「そ、そんなことないよ。むしろ、可愛くて……」 
  
 その言葉に反応して、そっぽを向いてしまう。 
165: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 22:29:02.14 ID:xdKyTgMJ0
 男「あの、女さん」 
  
 女「はい」 
  
 男「さっきの、答えなんだけれど」 
166: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 22:29:38.41 ID:xdKyTgMJ0
 男「え……」 
  
 どうやら、とんでもなくネガティブな想像をしているようだ。 
  
 男「ふふっ……ふふふっ」 
167: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 22:30:21.29 ID:xdKyTgMJ0
 僕は背中を向けている彼女に近づいた。 
  
 男「女さん、僕と付き合ってください。……それが、僕の答えです」 
  
 女「え……」 
168: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 22:32:10.85 ID:xdKyTgMJ0
 女「……」 
  
 糸が切れたように、彼女は座り込んだ。 
  
 男「だ、大丈夫!?」 
169: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 22:32:41.01 ID:xdKyTgMJ0
 男「ちょっと、ごめんよ」 
  
 僕は彼女の羽織ってるコートに手をかける。 
  
 男「はい、ハンカチ」 
170: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 22:33:12.75 ID:xdKyTgMJ0
 彼女がどんどん、可愛らしい存在に見えてくる。 
  
 頼りになって、真面目で、誠実で。 
  
 ちょっぴりポーカーフェイスな彼女だけれど。 
171: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 22:34:41.77 ID:xdKyTgMJ0
 女「それは失礼な言い方です。ずっと好きです」 
  
 音が出ていたら、間違いなく「ゴゴゴゴ」と後ろからしているような感じだ。 
  
 とてもストレートに「好き」と言われて少々照れつつ、僕は答える。 
172: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 22:35:22.15 ID:xdKyTgMJ0
 男「……えっと、そろそろプロジェクションマッピング始まっちゃうけど」 
  
 腕時計に目をやると、あと数分で始まる時間になっていた。 
  
 女「男さんは、どうしたいですか?」 
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