セイバー「聖杯大喜利戦争 座布団十枚目!」イリヤ「おめでとーございまーす!」
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5: ◆8cB8K086lg[sage]
2019/12/25(水) 14:46:47.95 ID:VqN+vqBbo

 そう言った士郎は、けっして大きく表情が変わったわけではなく、それでもはっきりと、その奥の悲痛な思いが伝わる顔をしていた。
なかなか笑顔を見せてくれない士郎。ぶっきらぼうな士郎。怒りに震える士郎。けれども、今まで見たことがあったろうか、こうも哀しい目の士郎を。 

「うろ覚えの記憶だけど……半分、寝てるような時だったか、俺のために義母さんが泣いているのを聞いたんだ。セイバーがどんな思いでいるのかも」

 その言葉で思わず肩の荷を下ろせたような気になるのを堪える。

「ごめんな、セイバー。俺、周りのこと、全然見えていなくて……もっと早く気づいてやらなきゃいけなかったのに……」

 こういうのは苛立たしい。もどかしい。
自分で決めたのだ。そうしてでも為しえたかったのだ。だから愚か者を演じ続けられた。
頭の悪い答えを考えるのも、そうして馬鹿だと罵られて、心底傷ついたように――心底傷ついても。
 
「シロウ、そんなことを言わないでください。私は貴方のことを支えることができるのであれば何もいりません。私は所詮サーヴァントだ。現の夢だ。ならば、貴方が笑ってさえいてくれたのなら、私なんて」

「違う。違うんだよ、セイバー」
 
 士郎は私の肩を掴むと、相変わらず視線を逸らさないまま、しっかりと言い聞かせるようにそう言った。



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