69: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 14:19:24.33 ID:G9OiTGlK0
 P「なんだ?」 
  
 S「名前で呼んでるんですね」 
  
 P「担当だからな」 
70: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 14:20:47.05 ID:G9OiTGlK0
 蓮実「Sちゃん、なんですって?」 
  
 P「ディナーショーに招待する、とさ」 
  
 蓮実「……え? もしかしてSちゃんのですか!?」 
71: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 14:21:46.56 ID:G9OiTGlK0
 P「先日のこともあるし、ただで終わるわけはないだろうな……それでも行くんだな?」 
  
 蓮実「はい。あ、えっと何を着ていけばいいんでしょうか!」 
  
 奈緒「いいなー! まあやっぱドレスかな?」 
72: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 14:22:16.91 ID:G9OiTGlK0
  
  その日のうちに、Mから送られたチケットが届いた。ということは、電話してきた時にはもう送っていたことになる。そして、宛名は『長富蓮実様』となっている。 
  なんだ、ちゃんと名前もわかってるんじゃないか。 
  が、それはまあいい、それはいいのだが…… 
  
73: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 14:23:14.28 ID:G9OiTGlK0
  
 蓮実「あの。私、本当に私服で良かったんですか?」 
  
 P「ああ。その蓮実の私服こそが、蓮実らしい可愛さの体現だからな」 
  
74: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 14:23:41.74 ID:G9OiTGlK0
 蓮実「チケット、ご自分のはどうやって手に入れられたんですか? 取れないので有名なチケットだそうなのに」 
  
 P「まあ……それなりにこの世界にもコネはあるからな」 
  
  きっとSもそれを見越して、1枚だけチケットを送ってきたのだろうが…… 
75: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 14:24:24.81 ID:G9OiTGlK0
  初めて会った時を思い出す。 
  そういえば彼女は、ちょっと変わった経緯でアイドルになったんだった。 
  
 蓮実「知ってます。確か、歌をテープに録音して送ってきたんですよね」 
  
76: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 14:25:16.53 ID:G9OiTGlK0
  
 蓮実「最初にお食事を済ませるんですね。私、食べながらSちゃんの歌を聴いたりするんだとばかり思っていました」 
  
 P「そういう形式というか、流れのディナーショーもあるがな。Sはもっぱら、まず食事をしてその後でショーが始まるようだ」 
  
77: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 14:26:50.27 ID:G9OiTGlK0
 P「担当だったからな。いやまあ、ずっとそう呼んでいたからだが……確かにもう担当でもない余所の事務所の娘をそう呼ぶべきじゃないか」 
  
 蓮実「別にかまわないとは思いますけど……」 
  
  そう言う蓮実は、歯切れが悪い。 
78: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 14:27:51.86 ID:G9OiTGlK0
 P「いわゆるモダンフレンチ、というやつか」 
  
 蓮実「詳しいんですね」 
  
 P「そうでもないさ。今の流行というだけのことだ」 
79: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 14:28:34.43 ID:G9OiTGlK0
 男「ショーの前に、長富様に歌を1曲ご披露願えないかと……先日の歌が、とても見事だったとのことでして……」 
  
 P「なんだと? 前座をやれと言うのか!?」 
  
  俺は憤るが、それを蓮実がにこにこしながらやんわりと制してきた。 
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