13:名無しNIPPER[saga]
2020/01/11(土) 21:47:17.20 ID:uct5lrwh0
それから半年ほどで、彼女はあっさりと母親の元へ戻ることになった。わたしも彼女と共にそこに連れて行かれた。
以前よりは"わたし"と遊ぶ機会の減った彼女だったが、それでも日に何度かは必ず"わたし"に話しかけ、"わたし"もそれに応えていた。
数年後、中学生になった彼女は"わたし"に全く話しかけなくなった。
どうやら新たな友人ができ、そして恋もしたらしい。"わたし"と話す時間もなければ、必要もなくなったというわけだ。
そしてその年の暮れ、彼女と母親はある相談をした。わたしを質屋に入れようというのだ。
結果、質屋がわたしに値を付けることはなく、わたしの入っていた上等な桐の箱だけが買い取られることとなった。
母親に連れられ家に舞い戻ったわたしに、彼女はため息をついた。
「金にならないなら、もう捨てるしかないよね。箱がないなら邪魔になるだけだし」
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