麻子「……華、さん」 華「はい?
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26:名無しNIPPER
2020/01/12(日) 20:38:47.96 ID:zPoxPRfb0
麻子「その……偉そうな言い方になって悪いんだが。五十鈴さんは多分、私に特別な感情を持ってしまっている。だから私が名前で呼んだりしただけでそんなに喜んでいる」

華『…………』

麻子「だが、忘れないでほしいんだが、それは薬のせいなんだ。効き目が切れたら、その感情もなくなる。前みたいな普通の友人関係に戻るんだ。わかってるな?」

華『……そうでしたね』

麻子「だから、こう……難しいのかもしれないが。あまり今の状態をありのままに受け止めない方がいいと思うんだ。後になって変なことをしたと後悔したくないだろう」

華『…………』

麻子「……すまん。五十鈴さんの好意自体を否定してるわけじゃないんだ。ただ、それは疑似的に作り出されてる感情だってことを――」

華『わかってます』

麻子「!」

華『わかってます……けど』

麻子「うん……」

華『今、この瞬間、わたくしがあなたを想っているこの気持ちは忘れたくないです』

麻子「そ……ぇ?」ドクン…

華『後になってこの感情が全部ニセモノだったと思い直しても、きっと後悔はしないと思います』

麻子「なぜ、そう思う」

華『だって、こんなことがなくても麻子さんはわたくしの大切な人ですから。そんな人を、たとえ一時でも心からお慕いしていた気持ちは決して恥じるものではないと思うんです』

麻子「……それ、は、だからっ……」

華『もちろん、麻子さんがその記憶を不快だとお思いになるのでしたら、わたくしも――』

麻子「そんなことないっ!」

華『…………』

麻子「昨日っ……言っただろ。気持ち悪いだとか不快だとか私は思わない」

華『………』

麻子「そりゃ、戸惑ってはいるけど……私だって五十鈴さんに、そんな風に思ってもらえたことは後悔しない」

華『……』

麻子「……い、五十鈴さん?」

華『ふふっ……やっぱり麻子さんは素敵な人です』

麻子「な、なんだ急に」

華『だって、こんなに重い言葉を伝えても……それも同性からですよ? それでもあなたは、わたくしを受け入れてくださるんですもの』


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