2:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/17(金) 02:23:18.19 ID:zkz27ckRO
「あっはっはっ! なんだい、その顔は?」
その顔とはどの顔のことだろう。
今、自分がどんな顔をしているのか気になる。
しかしそうは言っても、一介の男子高校生に過ぎない俺は、手鏡など持ち合わせてはおらず、それを見透かした鶴屋さんが手鏡を取り出し。
「キスしたくてたまらないって顔だよっ?」
見ると、鏡の中には熱に浮かされた俺が居た。
「キョンくんがどうしてもと言うなら、あたしとしてもやぶさかスティックじゃないにょろ」
はて。やぶさかスティックとは、なんだろう。
間違いなくやぶさかと藪から棒を混ぜている。
それを指摘すると、藪蛇に噛まれると思った。
「キョンくんはキスしたことあるかいっ?」
尋ねられて、ふとあの夜のことを思い出す。
涼宮ハルヒと共に囚われた閉鎖空間での一幕。
忘れたいけれど、忘れるには惜しいような。
そんな心境が顔に出ていたらしく鶴屋さんは。
「へえ〜そっか。ハルにゃんとしてたのかっ」
この先輩に嘘や誤魔化しは通じないと悟った。
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