2:名無しNIPPER[saga]
2020/01/26(日) 16:27:31.95 ID:eEyX7Fuh0
「肇」
首を振り、小さく息を零す。
どう言ったものか指先をこね回している間も、肇はじっと俺の顔に視線を注いでいた。
「一般的に言って、アイドルに色恋沙汰はご法度だ」
「はい」
「ところが」
行き場の無い両手を揉む。
「この事務所の場合、そうした事に関する具体的な方針は特に無い。主に社長の趣味で」
「はい」
「だから、つまり、だから……肇」
「はい」
「……あー……だから、友達を売るような真似は……あまり、良くない」
言い終わらない内から後悔の波が押し寄せて来た。
俺が言いたいのはそんな下らない指摘などではなく、
肇の言いたい点も恐らく……きっと、そこではない。
少し傷付いたような肇の表情に、ひどく胸の具合が悪くなった。
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