渋谷凛「テレフォンパンチ」
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7: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2020/02/13(木) 01:35:31.41 ID:YwNItfWC0

このような心持で臨む私たちだ。

いきなり誰それにはこれ、などとチョコレートの吟味を始めるわけもない。

当然、初手で購入するのは贈答用のチョコレートなどではなく有名ブランドが限定販売しているチョコレートドリンクだった。

「あっま」

「ほんとだ。濃いね、これ」

「チョコの川で溺れたらこんな感じになりそう」

「そういう映画、あったよね」

などと、ドリンク片手に歩いているわけだけれど、浮かれているとはいえ完璧に本題を忘れているわけではなかった。

黒を基調に作られたシックな印象を抱かせるショップの前でプロデューサーは足を止め、陳列されている商品を手に取る。

続いて私も覗き込んだ。

「ウィスキーボンボン?」

「うん。おっ、って思って」

「△△社の、――さん?」

「当たり。どうかな?」

「うん。いいと思う」

「よし。じゃあ買ってくる」

こんな具合で、遊んでいるようでいて、その実一人であれこれと決めるよりも断然、効率が良かった。



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