【アイマス ×鬼滅】千早「プロデューサーは笑わない」
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37:名無しNIPPER
2020/03/10(火) 23:56:16.87 ID:18fKymV0O
「なので、自分でやるしかなかった」
「…」

 正直ツッコミどころはたくさんあった。けれど、こうして事情を聞けばあまり強くは言えない。私だって似たようなものだから。



38:名無しNIPPER
2020/03/10(火) 23:57:37.55 ID:18fKymV0O
「…いつから気づいていたんですか?風邪をひいていたことに」
「如月が倒れた時だ」
「え?じゃあレコーディングの時は…」
「気づいていなかった。だが、『いつもの如月と比べて』下手くそだった、『だから何か不調があると思ったから』帰るように提案した」
「は?」
以下略 AAS



39:名無しNIPPER
2020/03/10(火) 23:58:08.20 ID:18fKymV0O
「如月の言う通り、俺は何もわかっていないが、これでも如月の歌は聞いてきた方だ。『いつもと比べて』下手くそだと伝えただろう?」
「…ふふ…言ってませんよ」

『本当は優しい人なんですよ』
 あまりの不器用さに笑ってしまう。胡蝶さんの言った言葉の意味が本当の意味で理解できた気がする。


40:名無しNIPPER
2020/03/10(火) 23:58:45.83 ID:18fKymV0O
「ほら、頭に乗せるといい…」
「ありがとうござ…ってこれ、カラカラです
…」
「何!?」

以下略 AAS



41:名無しNIPPER
2020/03/10(火) 23:59:15.94 ID:18fKymV0O
「すまない、これでどうだろう?」
「…えぇ、ちょうどいいです」

 本当はびちゃびちゃだったけれど、多分これ以上は不器用な彼には不可能だろう。ここは嘘をつくことにした。


42:名無しNIPPER
2020/03/10(火) 23:59:53.85 ID:18fKymV0O
「それでは俺はここで…」
「帰っちゃうんですか?」
「あぁ、女性の部屋にいるのはよくない」

 変なところで真面目なんですね。いえ、本人からすればずっと大真面目なのでしょう。
以下略 AAS



43:名無しNIPPER
2020/03/11(水) 00:00:33.78 ID:uJzZqS4BO
 残されたのはびちゃびちゃのタオル。昔、優が看病してくれた時のことを思い出す。小さい手では絞りきれなくて、びちゃびちゃのままおでこに置かれたことを思い出す。まるで、私が不治の病にでも罹っているかのような不安そうな目も今のプロデューサーそっくりだった。

「あ、弟みたいにって…そういうこと…?」

 胡蝶さんのアドバイスが的確だったことに驚きながら、その日は目を閉じた。


44:名無しNIPPER
2020/03/11(水) 00:01:08.45 ID:uJzZqS4BO
「冨岡ァ!?テメェ、領収書はさっさとだせやァ!」

 あれから数日が経ち、私の風邪もすっかりよくなった。プロデューサーは同じプロデューサーの不死川さんに怒られている。

「落ち着け、不死川、とらやのおはぎをやろう」
以下略 AAS



45:名無しNIPPER
2020/03/11(水) 00:01:42.81 ID:uJzZqS4BO
「まぁまぁ、不死川さん。冨岡さんのドジっ子は今に始まったことではないですし…」
「今になっても治らないことが問題だろォがァ!」
「俺はドジっ子ではない」

 もう無茶苦茶だ。しょうがない、助け船を出しましょう。


46:名無しNIPPER
2020/03/11(水) 00:02:16.32 ID:uJzZqS4BO
「すいません、不死川さん。けれど、義勇さんの言い分も聞いてあげてください」
「あぁん!?これ以上ねェくらい聞いてるだろうがァ!」
「不死川は気が長いんだな…」
「あぁん!?」
「もう!義勇さんは黙っていてください!」
以下略 AAS



47:名無しNIPPER
2020/03/11(水) 00:02:50.71 ID:uJzZqS4BO
「ねぇねぇ、亜美?」
「ん?どったの真美?」
「千早お姉ちゃん、ぎゆぎゆのこと『義勇さん』って呼んでるね」
「ね、気づいてんのかな?」
「気づいてないんじゃない?」


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