【鬼滅の刃】鮭大根【ぎゆしの】
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4:名無しNIPPER
2020/03/20(金) 21:34:11.15 ID:N9Z2+gYcO
「いや、今日の夕飯は鮭大根だそうなので…」
「何!?」

 柄にもなく大きな声を出す。これには弟弟子で義勇と比較的長い時間関わってきたと思っていた炭治郎でも見たことのない姿だった。



5:名無しNIPPER
2020/03/20(金) 21:34:38.62 ID:N9Z2+gYcO
「…すまない」
「いえ、ちょっと驚いただけです」

 よっぽどお好きなんですね。と続けられると義勇はバツの悪そうな表情を浮かべる。これで弟弟子の前では気取っていたかったのだろう。無口で口下手と言われる義勇だが、気を許した相手には意外と表情は雄弁なのだ。


6:名無しNIPPER
2020/03/20(金) 21:35:14.00 ID:N9Z2+gYcO
「けど珍しいですよね、鮭大根って。何かきっかけがあったんですか」
「…姉の得意料理だった」

 聞いてから炭治郎は『しまった』と思った。義勇の姉は祝言をあげる前日に義勇のことを庇って亡くなっている。辛い記憶を思い出させてしまったかもしれない。



7:名無しNIPPER
2020/03/20(金) 21:36:06.84 ID:N9Z2+gYcO
「…気にするな」

 炭治郎の表情を読み取ったのか、義勇が声をかける。

「鮭大根は姉さんの得意料理だった…俺は姉が好きだったから…好きな人が作ってくれる料理ほど旨いものはない」
以下略 AAS



8:名無しNIPPER
2020/03/20(金) 21:36:48.10 ID:N9Z2+gYcO
「水柱様、炭治郎さん、おかえりなさい」

 そんな話をしていると蝶屋敷にたどり着いた。この屋敷に常駐し、家事や治療を取り仕切っている神崎アオイが挨拶を述べる。



9:名無しNIPPER
2020/03/20(金) 21:37:20.24 ID:N9Z2+gYcO
「ただいま戻りました!」
「…あぁ」

 こういう時に同じ流派でも、差が出てくる。人当たりの良い炭治郎と人付き合いの苦手な義勇では致し方ないことだ。

以下略 AAS



10:名無しNIPPER
2020/03/20(金) 21:37:55.36 ID:N9Z2+gYcO
「え?はい…構いませんよ。そのつもりだと思いますし…」

 少し不思議そうな顔をしてアオイが応える。

「…ありがとう」
以下略 AAS



11:名無しNIPPER
2020/03/20(金) 21:38:35.84 ID:N9Z2+gYcO
「せっかくの好物なんですから、もっと喜べばいいのに…」
「いや、大喜びしてましたよ」
「え?あれでですか!?」

 匂いのわかる炭治郎以外にはわからないくらいの差しかない表情は、けれども確かに笑みを浮かべていた。よっぽど楽しみなのだろう。
以下略 AAS



12:名無しNIPPER
2020/03/20(金) 21:39:01.95 ID:N9Z2+gYcO
「けど、凄いですね!鴉を飛ばしたのはついさっきだったのに、その間に義勇さんの分の夕食まで用意するなんて」

 義勇は元々は蝶屋敷に寄るつもりは無かった。傷薬の軟膏も柱である義勇が使うことは少ない。大概はその場に居合わせた平隊員の治療に使ってしまう。自分で使っているわけではないからか、無くなって初めて気がつくのだ。今回もたまたま居合わせた炭治郎の傷に塗ろうと取り出すと残りが僅かなことに気がついたのだ。そこから鴉を飛ばして時間にして一時間程。その速さでもう一人分の夕食を追加するとは、炭治郎はアオイの手際の良さに驚愕していた。


13:名無しNIPPER
2020/03/20(金) 21:39:32.92 ID:N9Z2+gYcO
「いえ、水柱様の分は元々作られていましたよ」
「ん?」

 ここで炭治郎はある違和感に気づく。

以下略 AAS



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