20:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 16:48:12.04 ID:O0jAO63X0
 育「……そっか。ひなた殿から鬼の話を聞いたんだね」 
  
 エミリー「はい。とても恐ろしく、理不尽なことだと感じました。それにひなたさんは、お兄さんを……」 
  
 育「そうだね。10年前、ひなた殿の兄上は鬼に喰われて亡くなられた。拙者はまだ生まれていなかったけど、そのときの出来事はひなた殿や村の長老たちから聞いているよ」 
21:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 16:48:43.76 ID:O0jAO63X0
 ――村はずれの丘 
  
  
 育「この花なんだ」 
  
22:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 16:49:15.52 ID:O0jAO63X0
 エミリー「私もそう思います。もし私に育吾郎さまの夢を叶えるために何かお力添えができるなら、とっても嬉しいです」 
  
 育「夢……そうだね。そう言ってもらえると嬉しいよ。ありがとうエミリー殿。でも拙者の夢は、この村のことだけじゃないんだ」 
  
 育「この国は今、一部の異国としか交流しない政策をとっている。そうすることで余計な争い事を避けることができているのも確かだ」 
23:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 16:50:00.79 ID:O0jAO63X0
 村の子どもA「うぇぇぇん……」 
  
 村の子どもB「いやだあああ! 放してえええええ!!!」 
  
 桃子「フンッ……小便臭い小童どもが。好きなだけ喚くがいい」 
24:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 16:50:29.06 ID:O0jAO63X0
 桃子「そう……こんな雑魚ども、どうなろうと儂の知ったことではない」カッ 
  
 エミリー「あっ、危ない!」 
  
 ドガァン! 
25:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 16:51:39.17 ID:O0jAO63X0
 桃子「言葉通りじゃ。最初から――10年前、母親の腹の中におるときからもう決まっておったのだ。貴様が儂に食われる運命はな!!」スッ 
  
 ゴゴゴゴ… 
  
 育「なっ、体が動かない……力が抜けて……刀が……」カランッ ドサッ 
26:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 16:52:41.36 ID:O0jAO63X0
 桃子「やれやれ。ようやく村人どものお出ましか」 
  
 エミリー「さあ、これだけの数の人がいて逃げられると思わないことです。早く育吾郎さまを放しなさい!」 
  
 桃子「五月蠅いやつめ。異人の娘か。儂に楯突くのなら好きにするがいい。だがこの腰抜けの村人どもが貴様の味方をするかのう?」 
27:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 16:53:12.12 ID:O0jAO63X0
 エミリー「ひなたさんと育吾郎さまはお友達なんですよね。このまま黙って見ているだけでいいのですか」 
  
 ひなた「エミリーちゃん……」 
  
 村人G「ひなた、わかっておるな?」 
28:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 16:53:50.23 ID:O0jAO63X0
 エミリー「……ひなたさん、すぐにこの子たちの傷の手当てを」 
  
 ひなた「う、うん……」 
  
 チャッ 
29:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 16:54:28.07 ID:O0jAO63X0
 ――茉莉城 
  
  
 まつり「ふむ……育吾郎が山に棲む鬼に連れ去られ、三日後には喰われてしまうと……」 
  
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