40:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:00:56.11 ID:O0jAO63X0
 ――芙美台山麓 
  
  
 エミリー「……」 
  
41:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:01:32.22 ID:O0jAO63X0
 エミリー「大丈夫です。私が必ず、育吾郎さまをこの村へ連れ戻してみせます。どうか見守っていてください」 
  
 ひなた「だけども、あたしにもエミリーちゃんの力になれることがないかと思って……それで、これを」 
  
 エミリー「これは……お守りですか?」 
42:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:01:58.21 ID:O0jAO63X0
 まつり「いや、それだけはさせんのじゃ」 
  
 ひなた「あ、あなたは?」 
  
 まつり「ふふっ。余は通りすがりの貧乏旗本の三男坊、徳田松之助なのじゃ。心配せんでも、エミリー殿の身は余とこちらの祈祷師の先生が守るのじゃ」 
43:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:02:39.19 ID:O0jAO63X0
 ――芙美台山、中腹 
  
  
 エミリー「おや?」 
  
44:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:03:12.07 ID:O0jAO63X0
 人骨たち「カタカタ……!」ブンッ 
  
 エミリー「くっ、どうか鎮まりください。私はあなた方に危害を加える気はありません」 
  
 エミリー(可哀想に。成仏できず、ずっとここを彷徨っておられるのですね……おや?) 
45:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:03:41.83 ID:O0jAO63X0
 とある人骨「カタ…カタ…」 
  
 エミリー(ひなたさんのお兄さまが、みなさんを堰き止めてくださっている……?) 
  
 エミリー「ありがとうございます。みなさんの御霊は、のちほど村の方々が必ず供養してくださるはずです。それまでどうか待っていてください」タタタ 
46:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:04:12.40 ID:O0jAO63X0
 ――芙美台山、最深部 
  
  
 エミリー「……」 
  
47:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:04:41.18 ID:O0jAO63X0
 エミリー「私をうろたえさせようとしても無駄です。力を誇示して人を弄び跳梁跋扈す悪しき鬼――私はあなたのような卑怯者の言葉を聞く耳など持ちませんので」 
  
 エミリー「それとも、私に倒されるのがそんなに怖いのですか? 人を喰らう鬼が、私のような者を恐れる理由などないはずですが」 
  
 桃子「ちぃ……小娘の戯言と放っておけば好き放題ほざきおって。定められた事柄は一つだけ……あの村は儂に飼い慣らされることでしか存在できぬ。今までもこれからもな!」 
48:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:05:17.83 ID:O0jAO63X0
 エミリー(迂闊でした。これは想定外です) 
  
 エミリー「くっ……!」ヒュイン 
  
 桃子「どうした? 躱してばかりではないか。その立派な刀でひと思いに斬ってしまえば良かろう。儂は構わんぞ? こんな玩具、替えならいくらでも効くのだから」 
49:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:05:44.18 ID:O0jAO63X0
 育「ぐ……」 
  
 桃子「――ん?」 
  
 育「……」 
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