47:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:04:41.18 ID:O0jAO63X0
 エミリー「私をうろたえさせようとしても無駄です。力を誇示して人を弄び跳梁跋扈す悪しき鬼――私はあなたのような卑怯者の言葉を聞く耳など持ちませんので」 
  
 エミリー「それとも、私に倒されるのがそんなに怖いのですか? 人を喰らう鬼が、私のような者を恐れる理由などないはずですが」 
  
 桃子「ちぃ……小娘の戯言と放っておけば好き放題ほざきおって。定められた事柄は一つだけ……あの村は儂に飼い慣らされることでしか存在できぬ。今までもこれからもな!」 
48:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:05:17.83 ID:O0jAO63X0
 エミリー(迂闊でした。これは想定外です) 
  
 エミリー「くっ……!」ヒュイン 
  
 桃子「どうした? 躱してばかりではないか。その立派な刀でひと思いに斬ってしまえば良かろう。儂は構わんぞ? こんな玩具、替えならいくらでも効くのだから」 
49:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:05:44.18 ID:O0jAO63X0
 育「ぐ……」 
  
 桃子「――ん?」 
  
 育「……」 
50:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:06:23.93 ID:O0jAO63X0
 育「……お前……よくも、エミリー殿を……」 
  
 桃子「おのれ、家畜の分際で儂に逆らうなど……身の程を知れ!!!」カッ 
  
 育「うわあ……あ……」バリバリ ガクッ 
51:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:06:54.52 ID:O0jAO63X0
 桃子「折角じゃ小童。冥土の土産としてその目に焼き付けておくがいい。貴様を助けに参じたばかりに、この娘が儂に取り殺される様をな!」ガシッ 
  
 育「や、やめろ……ぐあっ……」カタカタ 
  
 エミリー「あぁ……」 
52:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:07:31.06 ID:O0jAO63X0
 育「エミリー殿……? 何を……」 
  
 エミリー「育吾郎さま……あなたと過ごした時間は、ずっとずっと私の宝物です……」シュッ 
  
 桃子「小太刀で自らの腕に傷を? 貴様、一体……」 
53:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:08:03.72 ID:O0jAO63X0
 〜〜回想〜〜 
  
  
 紬「こちらが呪術に必要な経を彫り込んだ石です。まずはこれをあなたに……」 
  
54:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:08:40.77 ID:O0jAO63X0
 桃子「ぐぁぁあぁぁ……!」ガクッ 
  
 ゴゴゴゴ…… 
  
 桃子「貴様……封印の術だと……!? ……おのれェェェ!!」 
55:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:09:17.29 ID:O0jAO63X0
 桃子「愚かな人間が自惚れた戯言を……面白い。いいだろう。貴様は必ずや寂しさに負け小童と再会し、術は解ける。それが人間の奸しき性というもの。さすれば儂は舞い戻り、この小童を喰うだけじゃ」 
  
 エミリー「悪しき鬼よ。どんな言葉で惑わそうとも私は迷いません。さあ、私がここを去れば術は発動します。その永き静寂の中で、あなたが踏みにじってきた数多の命と向き合い続けなさい!」 
  
 育「待って、エミリー殿……!」 
56:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:10:01.48 ID:O0jAO63X0
 ――数時間後 
  
  
 育「う……」 
  
57:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:10:28.80 ID:O0jAO63X0
 まつり「古くさい価値観やしきたりは崩壊しつつある、ということなのじゃ。親藩大名から余のような者が現れている時点で窺い知れることなのじゃ」 
  
 育「た、確かに」 
  
 まつり「そんなわけでエミリーの今後については心配はいらぬのじゃ。それよりも育吾郎よ、余に何か申したいことがあるのではないか? 顔に書いておるのじゃぞ」 
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