王馬「大変だ!オレが行方不明になっちゃった!」
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22: ◆DGwFOSdNIfdy[saga]
2021/08/07(土) 23:57:16.01 ID:Zke3DHp/0
─コンピュータールーム─


カタカタカタカタ

入間「これを回避しても結局あのふたりが鉢合わせたら意味が無い……接触を避けるためには……」ブツブツ


王馬「集中してるみたいだね」

最原「うん」

王馬「なんか、話掛け辛いな」

最原「作業が終わるまで待つ?それがいつになるか検討も付かないのに?」

王馬「えっと、じゃあ先に他の場所を…」

最原「それだと2度手間になるでしょ。少しは僕の都合も考えてよ」

王馬「…ご、ごめん」

イライラする。思えば僕は、王馬くんのこういう煮え切らないうじうじした態度にいつもムカつかされてきたんだ。

衝動に任せて足払いをすると、王馬くんは不意を食ったのかいとも簡単に転けてしまった。ずっと下ばかり向いている癖に、全く反応出来ない鈍臭さが笑える。

起き上がれないよう透かさずお腹を足で強く抑え付けた。王馬くんは掠れた呻きを漏らした。強いて文字で表現するなら「あ」と「え」の混ざった「æ」、踏み潰された蛙の断末魔みたいな声。

僕がそのまま更に体重を掛けると王馬くんは咳き上げながら嘔吐いた。死なれたら僕のせいになって面倒なので、王馬くんの身体を蹴ってうつ伏せにしてやる。これで吐瀉物が喉に詰まる心配は要らない。

入間「おい最原。いい加減にしてやれよ」

最原「ああ入間さん、丁度よかった。王馬くんがキミに用があって来たんだよ」

入間「その当の本人、エラい事になってんじゃねーか」

入間さんが何か言いたげに僕を睨むので、向こうが切り出すまで僕は待った。しかし、間も無くして彼女は溜息を吐き王馬くんの方に向き直った。

入間「王馬、立てるか?」

王馬「う、うん。大丈夫…」

ふらつきながら立ち上がった王馬くんに、入間さんはハンカチを差し出した。

王馬「使ったら汚しちゃうけど?」

入間「んなもんくれてやるから洗って自分用にするかそのまま捨てとけ。ちなみに替えは倉庫に幾らでもあるぞ」

王馬「あ、そうなんだ…ありがとう」

王馬くんは受け取ったハンカチで口許と首辺りを拭った。

入間「つーか用があってここに来たんだろ?なんでアタシ放っぽって……ふたりでじゃれてんだよ」

最原「入間さんが忙しそうで話し掛けられないって王馬くんが言うから」

入間「それだけであそこまでしたのか?」

最原「うん」

入間「……」

最原「入間さんって、頭使わないで言いたい事は全部言うタイプなのかと思ってたよ」

入間「切っ掛けはともかく、認識を改められたようならよかったぜ」


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