王馬「大変だ!オレが行方不明になっちゃった!」
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36: ◆DGwFOSdNIfdy[saga]
2022/05/11(水) 21:34:29.96 ID:zjdPkAJn0
百田「輝く星雲連合って知ってるか」

王馬「何それ、SFの話?」

百田「スピリチュアルの話だ」

王馬「それはまた随分…意外な方向性だね」

百田「離婚してから母親が傾倒してたんだよ。オレん家が貧乏だったの、そのせいもあったと思ってる」

最原「占い師が芸能人とかを洗脳して貢がせるケースって割と聞くけど、そういう感じかな…」

王馬「輝くなんちゃらって実際どういうものなの?」

百田「母親がよくオレに語り聞かせてたが、まっっったく理解出来なかった。あっちの言い分では、シリウス星系にいる宇宙人からお告げを受けて、魂のステージをより高い次元に引き上げるのが目的らしい」

王馬「シリウスって恒星だよね?燃えてる星にまともな生き物がいるの?」

百田「オレもそう考えたしなんなら母親に伝えたさ。まあ話にならなかったけどな。無理解な相手に対する苛立ちを、お互いに懐いただけだった」

王馬「だろうね」

百田「だからオレは、実際にシリウスまで行ってそんな生き物なんていないって証明したかったんだ」

王馬「それで宇宙飛行士になろうと思ったんだ?」

百田「殆ど思っただけで終わっちまったけどな。オレは元から勉強が得意な方じゃなかったし、それを覆せるだけの根性も無かった」

王馬「それは残念だなあ。本当に百田ちゃんが宇宙飛行士になったら、宇宙がどんな形をしているか見に行ってほしかったのに」

百田「…そもそもの目的も日に日にどうでもよくなって、いつしか自分がしようとしている事の不毛さに気付いたんだよ」

百田「その後は、とにかく親許から離れたいがために、勉強の傍らバイトで金を掻き集めてたな」

王馬「結構苦労してたんだね」

百田「まあな。ただ…金さえあればここまで苦しまずに済んだのにって思う反面、金があったところで特にやりたい事も無かったんだよ。基本オレの行動原理は、ストレスの原因をどうにかするためだしな」

百田「今なら解るが、だからオレはよりにもよってダンガンロンパを金稼ぎの手段にしたんだ。オーディションに落ちたらそれまで。採用されても死んだらそれまで。どう転んでも諦めがつく」

王馬「キミ、明らかにダンガンロンパが好きな感じじゃなかったもんね」

百田「自分っていうものが無いから、人生に価値を見出だせなかった。悪い意味で無敵な訳だ」

王馬「後悔してないの」

百田「してないぜ─と言いたいが、バ先で世話になったジイさん夫婦には悪い事しちまったかな。最後の最後まで必死に止めてくれたのを突っぱねて、結局ケンカ別れしたからよ」

王馬「でも、精々それくらいなんだね」

百田「覚悟してたしな。諸々引っ括めてロクでもない人生だったが、達成感というか妙な清々しさもある」


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