王馬「大変だ!オレが行方不明になっちゃった!」
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45: ◆DGwFOSdNIfdy[saga]
2024/02/23(金) 12:13:23.01 ID:4yhwoek00
─エグイサル格納庫─


結局戻って来てしまった。

視界はほぼ一色に染まっている。気分が悪い。足許が覚束無い。

プレス機に手を突けば、滑り気と共に『それ』がべったりとへばり付く。鉄と酸化した脂の化学反応に因る金属的な臭気が鼻腔を刺す。

実のところ現場の臭いがどれ程のものだったかなんて知る由も無いんだけど、経験から類推は出来る。どうせ早死にするならあんな経験は一生に一度だってしたくなかった…なんて、今更泣き言吐いても仕様が無いけど。

王馬「ダンガンロンパを抜きにしても、オレはロクな死に方しないだろうなとは思ってたよ」

最原「理由は出自?生き方?」

王馬「それもある。でも1番は性格かな」

最原「性格かぁ。王馬くんはそれを見付けられなくて、さっきまで探してたんじゃないの?そもそもそんなもの本当にあるかも怪しいよね」

王馬「ここに辿り着くまでに会ったみんな─最原ちゃんも、赤松ちゃんも、ゴン太も、入間ちゃんも、百田ちゃんもあんな事言わないよね。そういうのを性格って言うんでしょ?別に、性格だけが人間の全てとも思わないしね」

最原「一旦キミの主張を受け入れるとしてだよ。…本当に、ああするしかなかったのかな」

王馬「そんな訳無いでしょ。オレがあのやり方以外思い付けなかっただけ」

最原「良くも悪くも─あるいはそういった判断を拒むような、とにかくキミにしか実行できない方法だった。それこそ王馬小吉が王馬小吉たる所以と言ってもいいかもね」

王馬「それって、つまり」

最原「あの時の生き様、そして死に様を演じた彼こそが、本物の王馬小吉だ」

僕は血に塗れた手でプレス機を指さした。それが何色かは判らない。黒ずんだ赤にも目に悪いくらい彩度の高いピンクにも見えてしまう。

王馬「これが…真実?」

最原?「さあね」

ずっと追っていた謎を解き明かしてみせた割にはいまいち盛り上がらない。見様見真似でやってみたはいいものの、やっぱりオレには探偵役なんて無理だったんだ。

最原のような何か「オレはオレの信じたいものを提示しただけ。真実なんてクソ食らえ、だろ?」


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