66: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/01/28(木) 02:27:40.07 ID:zfMm9YR90
 ?「客人ですか」 
  
 男「あっ……」 
  
  不意に声をかけられる。 
67: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/01/28(木) 02:33:31.92 ID:zfMm9YR90
  声の主はゆっくりと俺の方に近づいてくる。 
  
 ?「それは、どういう時に使うんですか?」 
  
 男「え……人の家に来た時に、でしょうか」 
68: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/01/28(木) 02:35:23.73 ID:zfMm9YR90
  中性的な見た目、しかし声は男性の低さ。 
  
  ただ、年齢が容姿から想像できない。 
  
 ?「申し遅れました、私は……」 
69: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/01/28(木) 02:41:38.48 ID:zfMm9YR90
 父「"素体"と最近、交流をしていて、とても助かります」 
  
 男「……」 
  
 父「我々はまだ知らないことばかりですので、あなたのような生身の人間の存在は非常に有り難い」 
70: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/07/26(月) 11:30:04.43 ID:Cezla0Hd0
  目の前にいる男は、何一つ表情を変えずに俺に近寄ってきた。 
  
 父「ふむ……なんと呼ぶのが正解か、よくわかりませんが」 
  
  顎を擦りながら、視線を宙に向ける。 
71: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/07/26(月) 11:31:25.93 ID:Cezla0Hd0
  おそらく。 
  
  いや、間違いなく。 
  
  不思議っ娘のことを言っているのだろう。 
72: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/07/26(月) 11:33:02.49 ID:Cezla0Hd0
 父「あなた達人間と交流する為に作成した"素体"、それが『アレ』なのです」 
  
 男「……」 
  
  理解が追いつかない。 
73: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/07/26(月) 11:51:39.20 ID:Cezla0Hd0
 父「私達は"素体"を通してあなた方の文化や言語を学習している最中なのです」 
  
 男「それにしては、アイツと違って流暢ですね」 
  
 父「『アレ』はただの"素体"ですから」 
74: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/07/26(月) 11:53:14.62 ID:Cezla0Hd0
 男「アイツは、人間じゃないってことですか?」 
  
 父「そうですね」 
  
  あっさりと肯定する。 
75: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/07/26(月) 11:56:27.16 ID:Cezla0Hd0
 男「もっと、ちゃんとしてやらないと学校で浮きますよ」 
  
 父「そこは安心してください。"素体"は人間に限りなく認識しづらく設定しておりますので」 
  
 男「え」 
76: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/07/26(月) 12:06:01.76 ID:Cezla0Hd0
  少し、合点がいく。 
  
  不思議っ娘は、俺以外と会話しているところを見たことがない。 
  
  ましてや、誰かが彼女のことを話しているのも聞いたことがない。 
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