26:名無しNIPPER[saga]
2020/04/14(火) 23:32:23.75 ID:es/Qb5Nf0
 ■妙 
 妙は大手の製薬会社や大学病院なんかにも顔を出している。 
 最新治療においてかなりの研究者の一人として随分と活躍している。 
  
 でも、町医者は続けているらしい。俺も看護師の資格があるので、時々手伝っているから問題ない。 
 近くに家を借りて、娘達と暮らしている。 
  
 さっきまでの家に響いていた声が嘘のように静まっている。 
 まだ、歯磨きも着替えもできないおぼつかない少女。その隣で寝る乳児の男子。 
 大変で、憎たらしい時もあるけど、この寝顔を見ると、どうでもよくなる。 
 二人共口が、彼女に似ている。 
 彼女の遺伝子を、受け継ぐ。そういうことができて、女は偉い、とつくづく思う。 
 それを、二人を作るなんて妙はすごい。 
 「あなたの妻だからよ」 
 そう褒めると、と悪態をついてくる。 
  
 娘も近くにいるので、面倒が見やすく、良い環境だ。何より近所の繋がりが強いこの町なら子育てに最適だろう。 
 仕事も終わり、家に帰り晩ご飯を作り、晩酌をしていると妙が言ってきた。 
 「医療ミスね…」 
 妙が関わる病院で、この前に手術で子供を治療し、重症化してまったというケースがあった。 
  
40Res/33.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
書[5]
板[3] 1-[1] l20