5: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2020/04/19(日) 22:06:23.73 ID:nO0X6WpI0
  
 〇 
  
  鳴り止まぬ歓声と万雷の拍手に背を向け、私はステージを後にする。 
  確かな熱さを感じるほどに眩しいスポットライトは太陽のようで、まだ体が熱を帯びていた。 
  
  当然ではあるが、舞台袖はステージの上と比して暗い。 
  その暗さに目が慣れるのを少し待って、段差に気を払いながら通路を進む。 
  やがて開けた場所に出れば、たくさんのスタッフの人が控えていてくれて、私の到着を見るや寄ってくる。 
  
  もう幾度となく見ているし、本日二度目となる光景ではあるが、やはり私はカーレースのピットインみたいだ、と思うのだった。 
  
  
  そんな中で、少し離れた場所で、私のその様を眺めているプロデューサーにふと気が付く。 
  
  満足そうに笑みを浮かべて「おかえり」の形に口を動かす彼がいた。 
  
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