154:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 22:48:47.80 ID:XPAMg3p00
  
  【Y】パズルピース 
   
  
 人は、人生の約三分の一をベッドの上で過ごすと言われています。 
155:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 22:54:25.15 ID:XPAMg3p00
  
  「なー、かれーん……そろそろ機嫌直してくれって」 
   
  「……別に、上機嫌だけど」 
   
156:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 23:00:13.98 ID:XPAMg3p00
  
  「邪魔したのはほんと悪かったけどさぁ……わざとじゃないんだって」 
   
  「別に……Pさんは関係無いし」 
   
157:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 23:06:22.03 ID:XPAMg3p00
  
  「ん。あるね」 
   
  「我ながらよく映ってるよなー」 
   
158:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 23:15:01.51 ID:XPAMg3p00
  
 ぐぬぬと屈辱に身を震わせつつ、 
 ベッドフレームとマットレスの隙間に放り込んでおいたそれを明け渡します。 
 凛と奈緒はへぇ、ほぉ、ふぅん、なるほどね、ははぁ、 
 と好き放題に呟きながら笑みを浮かべました。 
159:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 23:24:58.00 ID:XPAMg3p00
  
 奈緒がくしゃみをして、 
 やべ、移ったかな、などとのん気にティッシュを拝借していると、 
 控え目なノックが響きました。 
  
160:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 23:33:54.24 ID:XPAMg3p00
  
 凛の口調には全く遊びがありませんでした。 
 びくりと震えた奈緒を尻目に、加蓮の瞳をじっと見つめます。 
  
  「私達、帰った方がいいかな」 
161:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 23:41:29.65 ID:XPAMg3p00
  
 凛の表情は、加蓮も初めて見るものでした。 
 困ったように言葉を探しているような、どうしたらいいか迷っているような。 
 そんな彼女を前に、加蓮はあれ、まだ話してなかったんだっけ、と首を捻ります。 
  
162:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 23:50:38.95 ID:XPAMg3p00
  
  ◇ ◇ ◆ 
   
  
 割と、加蓮は寝具にこだわる方で、両親はそれに輪を掛けていました。 
163:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 23:55:03.07 ID:XPAMg3p00
  
  「生きてぇ……」 
   
  「うん。そりゃもう生きるよ。すっごいよきっと」 
   
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