172:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 00:46:14.55 ID:qTjhoOKq0
  
 路線バスですから、小刻みに停車を繰り返します。 
 その度にアナウンスされる名前に感心したりしていると、急に奈緒が声を潜めました。 
  
  「凛、加蓮」 
173:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 00:53:49.36 ID:qTjhoOKq0
  
  ◇ ◇ ◆ 
   
  
  「あ、見た事ある」 
174:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 01:00:13.98 ID:qTjhoOKq0
  
  「うおー。この果物籠の絵、すごいな」 
  
  「凄いね……さっきもぎって来たのを盛ったみたい」 
  
175:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 01:07:44.91 ID:qTjhoOKq0
  
  「……」 
  
  「……」 
  
176:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 01:15:01.78 ID:qTjhoOKq0
  
  「ここが目玉展示みたいだね」 
  
 凛が呟き、何人かのお客さんが集まっている一角を指し示します。 
 二人も凛の背中について行って、その作品の前で立ち止まりました。 
177:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 01:23:54.11 ID:qTjhoOKq0
  
  「あ、これも知ってる」 
   
  「ロダン……あれ、ダンテさんだっけ?」 
   
178:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 01:32:26.07 ID:qTjhoOKq0
  
 やがて、細く長い息と共に加蓮の肩が緩みました。 
 くるりと振り向いて、こちらを眺めていた二人に笑みを浮かべます。 
  
  「で、『考える人』だっけ? 行こいこ! 
179:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 10:34:32.08 ID:GVB5f6680
  
  ◇ ◇ ◆ 
  
 代々木公園や新宿御苑と並び、都内でも有数の規模を誇る上野恩賜公園。 
 その芝生広場の一角に、三人の女の子がレジャーシートを広げています。 
180:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 10:46:00.83 ID:GVB5f6680
  
  「加蓮の、気合入ってるな」 
   
  「凄いね。素直に」 
   
181:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 10:53:11.23 ID:GVB5f6680
  
  「奈緒のは……」 
   
  「……どしたの?」 
   
182:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 10:59:56.57 ID:GVB5f6680
  
  「仲良しだねー、神谷家」 
   
  「普通だろ」 
   
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