177:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 01:23:54.11 ID:qTjhoOKq0
  
  「あ、これも知ってる」 
   
  「ロダン……あれ、ダンテさんだっけ?」 
   
178:名無しNIPPER[saga]
2020/05/08(金) 01:32:26.07 ID:qTjhoOKq0
  
 やがて、細く長い息と共に加蓮の肩が緩みました。 
 くるりと振り向いて、こちらを眺めていた二人に笑みを浮かべます。 
  
  「で、『考える人』だっけ? 行こいこ! 
179:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 10:34:32.08 ID:GVB5f6680
  
  ◇ ◇ ◆ 
  
 代々木公園や新宿御苑と並び、都内でも有数の規模を誇る上野恩賜公園。 
 その芝生広場の一角に、三人の女の子がレジャーシートを広げています。 
180:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 10:46:00.83 ID:GVB5f6680
  
  「加蓮の、気合入ってるな」 
   
  「凄いね。素直に」 
   
181:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 10:53:11.23 ID:GVB5f6680
  
  「奈緒のは……」 
   
  「……どしたの?」 
   
182:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 10:59:56.57 ID:GVB5f6680
  
  「仲良しだねー、神谷家」 
   
  「普通だろ」 
   
183:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 11:11:21.37 ID:GVB5f6680
  
  ◇ ◇ ◆ 
   
  
  「え、すご。たかっ」 
184:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 11:28:52.06 ID:GVB5f6680
  
 残念ながら、本日は風の影響でトップデッキには立ち入れないようです。 
 観光客でいっぱいの、凝った照明のシャトルエレベーターにしばし揺られているうち、 
 気圧差に耳が詰まってきます。 
  
185:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 11:46:35.92 ID:GVB5f6680
  
 どこまでも広がる灰色は、人類の偉大さと愚かさを同時に見せつけてくるようでした。 
  
 所々に見える緑色を見つけては、加蓮がほっと胸を撫で下ろします。 
 北条加蓮の公式カラーになってからも、なる前も、彼女は緑がお気に入りでしたから。 
186:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 12:09:26.71 ID:GVB5f6680
  
 ひょいと乗ってみせた凛に奈緒は軽く引いていました。 
 譲るように凛が場所を開け、不敵な視線で加蓮を挑発します。 
  
  「どうぞ」 
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