189:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 12:42:58.73 ID:GVB5f6680
  
 加蓮の呟きに、二人は目を丸くしました。そして揃って、くすりと笑いを零します。 
  
  「何言ってんだよ、加蓮」 
   
  「……え?」 
   
 ほとんど閉じられそうになっていたまぶたがゆっくりと開いて、二人の姿を捉えます。 
 何故か揃って得意気に笑うと、声まで揃えてこう宣言するのです。 
  
  
  『帰るまでが遠足だよ』 
  
  
 加蓮は結局、遠足の流儀をまるで知りませんでした。 
 自身の無知がおかしくなって、バスの揺れが心地良くて、また目を閉じてしまいます。 
  
  「はいはい……」 
   
  
 それきり、三人は静かになりました。 
  
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