69:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 16:43:11.57 ID:SPkljqcV0
  
  「すいません、インカム調子悪かったみたいで。 
   何かありましたかね? あぁ、了解です。もう大丈夫です」 
   
 涙が涸れ、汗も退き、後は暴れる横隔膜が落ち着くのを待つだけになりました。 
70:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 16:58:44.61 ID:SPkljqcV0
  
 昔の自分はいつもパジャマを着ていて、 
 だいたい食欲が無くて、ほとんどじっとしてばかりいました。 
  
 でも、ネイルを練習してくれて、髪をアレンジしてくれて、 
71:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 17:47:42.24 ID:SPkljqcV0
  
  「……どう?」 
   
  「え?」 
   
72:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 18:11:26.00 ID:SPkljqcV0
  
 訳も分からぬまま加蓮の抱腹に付き合ってやると、 
 彼女のツボもようやく満足してくれたようです。 
  
  「はー……ふふっ……ね、プロデューサー」 
73:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 18:24:34.93 ID:SPkljqcV0
  
 今度はプロデューサーが口を丸くする番でした。 
 腕時計の文字盤を数秒だけ睨み付け、加蓮の手を引いて立ち上がらせます。 
  
  「確かに馬鹿だった! 観た事あると思い込んでた!」 
74:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 19:09:28.69 ID:SPkljqcV0
  
 分厚いドアを開いた途端に大音量が鼓膜を打ちました。 
 同時に始まった前奏は加蓮にとっても、かなり耳馴染みのあるメロディで。 
  
 機材席のスタッフに頭を下げつつ、彼は加蓮を手招きします。 
75:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 19:12:39.92 ID:SPkljqcV0
  
  
  『S(mile)ING!』 
  www.youtube.com 
  
76:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 19:28:26.12 ID:SPkljqcV0
  
 サイドポニーを揺らし、ふわふわのスカートを翻して。 
 両手でマイクを握りながら、こちらを見ていました。 
  
  
77:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 19:40:44.40 ID:SPkljqcV0
  
 業務中に何を持ち歩いてるんだとか、 
 ひょっとして三色とも持ってたりしないだろうなとか、 
 色々と言ってやりたい事はありました。 
  
78:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 19:46:08.58 ID:SPkljqcV0
  
 唄い終えた卯月に喝采が降り注ぎます。 
  
 コンサートライトを振りつつ大きな拍手をするのは難しいなと思いながら、 
 まぁいいかと気にせずライトのグリップをべちべちと叩いている途中でした。 
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