アルコ&ピース酒井「Black Savanna」
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18: ◆z.6vDABEMI[saga]
2020/05/05(火) 20:06:40.75 ID:z3oD1mZbo
「何をしている」
や、うそ。やべぇ。誰かいた。
突然敷地内の方から、短めの声がした。
「は?や、あのすんません、オレ……」
それがまた突然だったもんだから、びくっと両肩震わせたオレは、顔をぐんっとその声の方に向けた。
狼狽して明らかに困ったようにおろおろ、なんて言い訳しようか。しどろもどろで何か言いかけて、なんて言ったかほんとなら覚えてたと思う。
その視線の先が、見知った姿でなければ。
「……平子、さん?」
愕然とする。驚愕で思わず目を見開く。そんな馬鹿な話あるかよ、なんでアンタがここにいんだよ。色々言いたいことが頭の中をぐるぐる回って、けれどどれもこれもすぐに口から出てこない。それだけの驚きを伴ったエンカウントだ。
え、なにこれ、どういう事?
間違いねえ。長年隣に、正面に、ずっと捉え続けた、尊敬も嫉妬も出来る相棒だ。見間違えることなんて有り得ねえ。それが、なんでこんなとこにいて、そんで……そんで?
酸素不足でパクパクとバカみてぇに口を開くしかないオレに、敷地の中にいる平子さんが真顔で語りかける。
「ここはお前が来るべき場所ではない」
淡々と。そう、淡々と。同じ顔だろ、おんなじような声だろ?だけど、ううん、違う。違うんだ。まるで別人、演技でもしてんのか?ってくらい纏う雰囲気が違う。ぎらり、夜の中でも開かれた瞳ががオレに刺さる。
いや、待て。違和感が恐怖に勝った。冷静になりたいオレの脳内で、様々なことが浮かんだり消えたりした。
誰だ。
いつかみてぇに頭に出てきたワード。
こいつは、一体誰だ。
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