朝倉葉「オイラ、幸せもんだな」小山田まん太「僕だって、幸せ者さ!」
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12:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/22(月) 23:35:58.52 ID:FFL98XnqO
「それじゃあ、まん太」
「は、はひっ!」
「あとは任せたわよ」

僕が見張っていた扉からアンナさんが退室する間際、また魅力的な笑みを浮かべ、囁く。

「たぶん、あの男、起きてるわよ」
「えっ?」

そんなまさか。
呆然としてアンナさんが立ち去るのを見送ってから、僕は友の元へと駆け寄り、尋ねた。

「葉くん、君は本当に起きてるの……?」
「ああ……当たり前だろ」

なんと。朝倉葉は覚醒していた。信じ難い。

「君は、どうして……?」
「なあ、まん太」
「な、なに?」
「世の中、辛いことばかりだなあ」

尿が耳にでも入ったのか、側頭部を叩きながら、葉くんはさっぱりした面持ちで続ける。

「オイラ、そういうのが面倒で、さっきも正直、逃げたくてたまらなかったけどよ……」
「……うん」
「でも、どうしても逃げちゃならねぇ場面ってもんがあって、何が何でもふんばる必要がある時があんだよ。だから、オイラは……」
「もういい、葉くん! 君は頑張った!!」

僕は泣いた。そして珍しく彼も泣いていた。


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