11: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2020/06/27(土) 08:07:25.94 ID:6UUG/lssO
文香「ンンッ。話は戻しますが、なぜお一人で歩いていたんですか?」
武内P「……新田さんとアナスタシアさんと話しているうちに、今の自分が何をしていたのかわからなくなり、怖くなって二人から逃げ出してしまったんです」
文香「そうですね……プロデューサーさんはお仕事に真面目に取り組み、担当しているアイドルはもちろん、以前担当していたアイドルからも、そして私のように担当外のアイドルからも信頼されています。記憶が10年飛び、見知らぬ人たちからいきなり大きな信頼を寄せられたら、恐ろしくなるのも当然です」
武内P「いえ、そういったわけではなく……今の私がその、アイドルに信頼されている事をいい事に、最低な行いをしているようなんです」
文香(信頼されていることをいい事に? 最低な行い?)
文香「……プロデューサーさんはそういうことを“してくれる”人じゃありません」
武内P「ですが……新田さんとアナスタシアさんは、私が二人に加えて蘭子さんというまだ14歳の少女と付き合っていると」
文香「プロデューサーさんが今の状況に動転しているように、二人も身近な人が記憶を失ったことに混乱して(※)そんなことを言ったのですね」
※混乱して⇒興奮して
武内P「では……私は」
文香「はい。今の貴方は過去の自分に恥じることない、立派な社会人です」
武内P「……良かった。この世の終わりかと思っていました」
文香「ふふ。……ところで、私はプロデューサーさんのことをプロデューサーさんと呼ばせていただいていますが」
武内P「ええ、そうですね」
文香「先ほどもそうでしたが、プロデューサーさんと呼ばれることに違和感があるようなので、別の呼び方をしましょうか」
武内P「そうしてもらえますか。プロデューサーとしての記憶が無いので、そう呼ばれることに戸惑いや罪悪感があるので助かります」
文香「では……せ、先輩」
武内P「」
文香「だ、ダメでしょうか? プロデューサーさんは記憶が今は20歳で、私が19歳なので良い呼び方かと思ったんですけど」
武内P「いえ、ダメじゃないんですけど」
武内P(文香さんが恥ずかしそうに言う姿が愛くるしくて、硬直してしまったとは口が裂けても言えない)
文香「では、もう一つちょうどいい呼び方に心当たりがあるので、そちらにしましょうか」
武内P「そっちの方でお願いします」
文香「では――」
文香「兄さま」
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