右京「タイムパラドクスゴーストライター?」
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69:名無しNIPPER[saga]
2020/07/02(木) 23:14:26.73 ID:0AxqYuWp0


「…余計なお世話です。」


「は?何を言っているんだ。キミは十年後に死ぬんだぞ!だからそのために俺が未来を変えなきゃならないんだ!」


「だから余計なお世話です!そのために私の漫画を潰すんですか!?それなら殺された方がまだマシですよ!!」


これ以上哲平に漫画を潰されるくらいなら死んだ方がマシだと伊月はハッキリとそう断言した。
それを聞いた哲平は呆然とした。何を言っているんだと…
この世で死ぬこと以上に残酷なことはないはずだ。それなのにどうして…


「それは彼女が作家だからですよ。作家ならば作品は我が子も同然。
その作品を奪われるのは作家としての死を意味する。伊月さんは…いえ…作家アイノイツキは己の命よりも作品を守る選択を取った。
つまり佐々木哲平、あなたの行いはこれで肯定されることは決してありません。」


伊月は自らの生命よりも彼女が生み出した作品を守る選択を取った。
同時にそれは哲平がようやく掴んだはずのホワイトナイトという星が彼女の手に戻ったことを意味する。


「それにしても皮肉ですねぇ。最後くらいはあなた自身がこの電子レンジを停止させてこれまでの行いに決着をつけると思っていましたが…
漫画でいうところの最大の見せ場を伊月さんに取られてしまった。
まあこれまで伊月さんの漫画を盗作してきたあなたには当然の報いなのでしょうが。」


最後にその場で一切の希望を絶たれ愕然とする哲平に右京がそのような皮肉を述べた。
右京としては哲平が電子レンジを停止することで盗作を行ったことへのケジメをつけさせる意味合いも含めていた。
だが哲平にそこまでの成長を求めることは適わなかった。
結局最後はこれまで作品を盗作された伊月に見せ場を奪われ哲平は罪に報いることすら出来ずに終わった。
すべてが終わった後もその場で泣き崩れる哲平の姿は余りにも惨めで、そして滑稽でしかなかった。



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