73:名無しNIPPER[saga]
2020/07/02(木) 23:19:13.45 ID:0AxqYuWp0
「それにしても右京さん今回は結構感情的でしたよね。」
「感情的…?この僕がですか。」
「そうですよ。あんな小悪党相手にずっと凄んでいましたからね。」
自分は常に冷静沈着だと言い張る右京だが冠城は今回の件で右京から鬼気迫るものを感じていた。
その理由について心当たりがあった。
「理由はやはり鬼滅の刃にありますよね。」
「まあ…そうかもしれませんね。実は今回の件で少し思うところがありました。
もしも佐々木哲平がホワイトナイトではなく鬼滅の刃を盗作していたらと思うとゾッとします。」
「やはりそうでしたか。誰だって自分の好きなものにケチがつくのは嫌ですからね。」
こんなことで右京の人間味が感じられることに冠城は少しマウントを取れた感じになれた。
だが右京の懸念はあながち的外れでもない。今回佐々木哲平が行った盗作とはそういったものだ。
もしも佐々木哲平が鬼滅の刃を盗作したとしよう。既に完結している物語だ。何の問題もなく描こうとするだろう。
だが彼にあの悲壮感を描写することは可能だろうか。あの感動を再現することなど出来るのか。
そのことを冠城は右京に尋ねようとしたがすぐにやめた。
きっと右京はこう言うのだろうと既にわかりきっていたからだ。
そう、答えは否。佐々木哲平にあの感動を表現することなど決して出来ない。
結局いくら外見を整えようとも中身が空っぽならそんなモノに意味などない。それを哲平は理解出来なかったからこそこのような事態に陥ってしまった。
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