35:名無しNIPPER[sage saga]
2020/07/11(土) 17:19:53.69 ID:MbHh/3qi0
大好きな歌の練習を好きなだけやれたからだろう。
事務所に戻ってきたときよりむしろ元気になったように見えた。
前から千早の高い歌唱力を武器に売り出していこうとはおもっていたが、さっきの姿を見て、
絶対に千早を歌で食っていけるようにしてやらなければならない、と感じた。
彼女から歌を奪ってしまったら、一体どうなるんだろう。想像もしたくない。
そして同時に千早が765プロに入ってきてくれて本当に良かったとも思った。
彼女はアイドルとして売り出していくべきだ。
ただ歌を届けるだけではなく、さっきのような姿をもっと多くの人に見てもらい、もっと多くの人に愛されるべきだ。
『私には歌しかありませんから』
千早の言葉が思い返される。
最初この言葉を聞いたときは、自分には歌しか武器がない、という意味だと思った。
でもおそらく、本人も自覚していないかもしれないが、歌以外に一切興味がないことからでた言葉なのではないだろうか。
おそらく、歌が彼女にとってもっとも大切なものであるということは、これからも変わらないだろう。
それはそれで仕方ないし、いいことだと思う。
歌がもっとうまくなりたい、もっと自由に歌いたい、という望みにどこまでも懸命で貪欲で、ストイックなところに彼女の魅力があるのだろう。
しかしそれでも、アイドル活動を通して歌以外にも大切なものが増えていって欲しい、とそのとき俺は思ったんだ。
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