31:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:28:09.80 ID:qe4+sBJv0
 「ねぇ、ヨハネちゃん。」 
  
 「なによ。」 
  
 「せっかくだから、2人でなんかお揃いのアクセサリー作ろうよ!」 
32:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:28:49.41 ID:qe4+sBJv0
 「圧巻の景色ね……」 
  
 「すごーい!綺麗ずらー!」 
  
 昼ご飯を食べ終わった2人は、一面のシロツメクサに覆われたシロツメクサの花畑にいた。 
33:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:29:31.20 ID:qe4+sBJv0
 「なんだか眠くなってきた……」 
  
 しばらく経った頃、花丸の茎を編む手が徐々に覚束なくなり、舟を漕ぐように頭を傾けだすと、ぽすりとヨハネの膝の上に落ちる。 
  
 すぅすぅと規則正しい寝息を立てながら眠る花丸の頭を撫でながら、ヨハネの口元は自然と綻ぶ。 
34:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:30:40.21 ID:qe4+sBJv0
  
  
 * 
  
  
35:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:31:20.68 ID:qe4+sBJv0
  
  
 ゴーーーーーーーーン………… 
  
  
36:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:32:27.33 ID:qe4+sBJv0
 記憶の中の姉はいつも優しかった。 
  
 今のみんなの服装のような黒髪をしていた。 
  
 道を歩くときはいつも手を繋いでくれて、引っ張ってくれた。 
37:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:33:08.26 ID:qe4+sBJv0
  
  
 * 
  
  
38:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:33:47.55 ID:qe4+sBJv0
 今日もまた、頭の上で揺れるシロツメクサの冠が見える。 
  
 あれを被ってきたときは、私と遊ぶ合図の様なものになっていた。 
  
 「このシロツメクサの冠ね、ルビィちゃんが褒めてくれたんだ。」 
39:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:35:40.66 ID:qe4+sBJv0
 「ハァーイ、ヨハネ。」 
  
 白い月が殊更大きく見える晩だった。 
  
 「久しぶりね、マリー。」 
40:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:36:35.14 ID:qe4+sBJv0
 眼下に見えるは灯りの消えた空っぽの街。 
  
 やいのやいの駄弁る天使達は、音もなく春の夜空を滑るようにゆっくりと飛んでいく。 
  
 天蓋では、ゆっくりと北斗七星が満月に水を撒こうとしていた。 
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