4:名無しNIPPER[saga]
2020/07/12(日) 21:09:07.06 ID:qe4+sBJv0
「だれ……?」
「うわーーー!!!!」
頭のてっぺんから爪先の先まで電気が走ったように驚き、思わず幹の寝床に姿を隠す。
訪れた静けさの中でひらひらと緑色の葉が舞い落ちている。
ゆっくりと木の幹の隙間から下を覗き込むと──
「ふ……うう…………うわーん!!!」
まだ年端もいかない子供だろうか。
びっくりして大きく見開いた目にやがてゆるゆると涙が溜まり、割れんばかりの声で泣き始めてしまった。
「わわ……ごめん!ごめんって!とりあえず泣き止んでー!」
目の前の手のつけようのない子供を前にこっちも泣きたくなる。
どうしていいのかわからず、とりあえず子供の頭を撫でてみる。
「うぅ……ひっく……」
だんだん落ち着いてきたのか、その子供は涙でぐちゃぐちゃの顔をゆっくりと上げる。
茶色の柔らかく長い髪と自分の腰ぐらいまでしかない体。
少し薄汚れたワンピースはお転婆という言葉がぴったりな印象だった。
しかし、そんなことを気にする暇もなく、その子供が恐怖の対象であるかのような目線を送りながら、口をパクパクさせる。
「あなた……なんで!」
またもや大きな声にびっくりしたのか、子供の顔は一転、再び泣き出しそうになる。
「だ、大丈夫よ。落ち着いて……落ち着いてぇ……」
とりあえず彼女に聞きたいことはいろいろとあるが、まずは落ち着かせないと話にならないと思い、ゆっくりと彼女を宥める。
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