ぐだ「サーヴァントを庇ったら怒られた」
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44: ◆kratnb/iBE[saga sage]
2020/08/28(金) 11:04:45.46 ID:2rWE0+R10

狂気。決して外れる事の無い仮面。戦場。飽くなき闘争。
初め、これを己の罰とした。幾度もの戦闘に傷つくたびに、狂った思考の内に喜びを見出していた。
しかしそれはすぐに過ちであると思い知らされる。

正常な思考の出来ない我が身だと思っていたが、カルデアにいる己はただ「狂ったフリをしていなければ己を保てないランスロット」でしかなかった。
ここは異常だ。

我が王がいた。一人ではない。我が王のようで我が王ならざる者や、我が王に限りなく近い者、私の知らない我が王の未来や過去、そして宇宙から来たとかいうほぼ我が王。
我が友がいた。皆私の知る者たちだ。この環境に完全に適応し、日々面白おかしく過ごしている。
狂う前の己がいた。私を見て苦しそうな顔をしたと思えば、水着だなんだと日々を謳歌していた。
我が罪の証がいた。彼女は……私を憐れんでいた。

何よりも異常なのは、新しい主が女性で、心底から善良であったことだ。
理不尽に未来を奪われながら、笑いながら未来を語る少女。
彼女はどんなサーヴァントであろうと分け隔てなく接し、どんな困難を前にしても笑顔であった。

贖罪の為に戦っていた我が身は、いつからかその罪を見失っていた。

これがその罰か?
騎士を捨てたこの身への罰ならば、甘んじて受けよう。
我が主を守る為の騎士は、もういない。
ここにいるのは、我が主の敵を殲滅する獣なれば。

我が身に許された答えはただ一つ。
敵を殺す。殺す。殺すのだ。

「Arrrrrrrrrrrrthurrrrrrrrrrrrrrrrr!!!」

敵がいなくなるその日まで。


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