4:名無しNIPPER[saga]
2020/07/25(土) 15:36:21.70 ID:O4h0WM5RO
――こうして、世界を救う旅に出る事になった彼は。
僅かながらの孤独に堪えながら、それでもと大切な者の為に身を奮わせて親しんだ国の外へと歩き出して行くのだった。
【一日目】
勇者「はぁ……空気が美味しいな」
< ガタンガタンッ
勇者(うお、っと。思ったより馬車ってものは揺れるんだなぁ、お尻が痛くなりそうだ)
勇者「えーと……そうだ。装備の点検でもしよう」
御者「はっは! なんじゃそら、今から荷物を検めんのかい?」
勇者「え? ぁあ、はい」
御者「いけねーな兄ちゃん。勇者とかってのが何かは知らねえけど、冒険者や傭兵稼業知ってる俺からすりゃ先行き不安になるぜ!」
勇者「ええ、なんでです?」
御者「いくらウチみたいな安全な街道走る馬車って行っても、稀に賊に襲われる事もある」
御者「それは何と比べても有り得る事だ。人生は先が見えないんだ」
御者「覚えときな兄ちゃん、この『異世界』では何が起きても良いように備えるべきだってことをよ」
勇者「はぁ……」
勇者(変な人に当たっちゃったな、こんな人と次の町まで二日過ごすのか)
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