僕「…幻覚が見えるんです」
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1:名無しNIPPER
2020/09/01(火) 20:12:15.21 ID:p7+LgWTZ0
※ジャンルはミステリー
※テーマは『嘘』

・蘇我 馬子(そがの うまこ)
女子高校生を想定。サラブレッドマスクを被る探偵。

・僕(ぼく)
男子高校生を想定。根暗。

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2:emanon
2020/09/01(火) 20:16:07.76 ID:p7+LgWTZ0
僕「…こ、こんにちは」

馬子「ようこそ、『芸術的にSFを研究する部活』へ」


3:emanon
2020/09/01(火) 20:19:24.16 ID:p7+LgWTZ0
僕「…芸術?SF?…んん?」

馬子「ついに、SFの芸術的解釈について弁論できる部員が現れたわね。心ゆくまで此処にいるといいわ」

僕「…」
以下略 AAS



4:emanon
2020/09/01(火) 20:21:11.64 ID:p7+LgWTZ0
僕「………。なんなんですか、その本棚。茶葉の銀缶でいっぱいじゃないですか」

馬子「紅茶が好きなの」

僕「…本への冒涜ですよ」
以下略 AAS



5:emanon
2020/09/01(火) 20:23:46.27 ID:p7+LgWTZ0
馬子「あなたの話、聞いてあげる。アップルティーでどう?」

僕「お願いします…」


6:emanon
2020/09/01(火) 20:27:13.36 ID:p7+LgWTZ0
僕「………。そういえば、完全に聞くタイミングを失っていたんですけど」

馬子「?」

僕「その、なんですか。その、被り物は?」
以下略 AAS



7:emanon
2020/09/01(火) 20:35:31.40 ID:p7+LgWTZ0
馬子「…はい、アップルティー」

僕「ありがとうございます。アップルティー好きなんですよ。久しぶりに飲みます」

馬子「どうぞ」
以下略 AAS



8:emanon
2020/09/01(火) 20:43:42.69 ID:p7+LgWTZ0
僕「…どうして眠れていないって分かったんですか?

馬子「観察よ」

僕「観察?」
以下略 AAS



9:emanon
2020/09/01(火) 20:45:31.43 ID:p7+LgWTZ0
僕「コーヒーが嫌いだとは一言も言ってませんが」

馬子「私が嫌いなのよ」


10:emanon
2020/09/01(火) 20:49:56.54 ID:p7+LgWTZ0
僕「…。幻覚が見えるんです」

馬子「続けて?」


11:emanon
2020/09/01(火) 20:57:24.34 ID:p7+LgWTZ0
僕「…。髪の長い女性の幻覚が見えるんです。今もそこで笑っています」

馬子「今も?」

僕「はい」
以下略 AAS



12:emanon
2020/09/01(火) 21:06:23.37 ID:p7+LgWTZ0
僕「…。幻覚の女性は、度々夢に現れます。そこでは雪が降っているんです」

馬子「雪ね」

僕「彼女は僕に何かを言っているような気がします。でも僕には何も聞こえない。彼女は笑っている。僕は手にナイフを持っている。それで彼女を刺す。僕は彼女を[ピーーー]んです」


13:emanon
2020/09/01(火) 21:08:15.87 ID:p7+LgWTZ0
僕「…。幻覚の女性は、度々夢に現れます。そこでは雪が降っているんです」

馬子「雪ね」

僕「彼女は僕に何かを言っているような気がします。でも僕には何も聞こえない。彼女は笑っている。僕は手にナイフを持っている。それで彼女を刺す。僕は彼女をころすんです」


14:emanon
2020/09/01(火) 21:17:41.70 ID:p7+LgWTZ0
馬子「へぇ」

僕「…へぇって。それだけですか?」

馬子「面白い話だったわ」
以下略 AAS



15:emanon
2020/09/01(火) 21:22:42.04 ID:p7+LgWTZ0
僕「…それでも僕は、知りたいです」

馬子「どうして?」

僕「…痛みを知らない人間にはなりたくないから」
以下略 AAS



16:emanon
2020/09/01(火) 21:55:40.58 ID:p7+LgWTZ0
〜放課後・美術部〜


馬子「綺麗な髪ね」

以下略 AAS



17:emanon
2020/09/01(火) 22:11:24.94 ID:p7+LgWTZ0
馬子「だって、今回の本当の依頼人はあなたじゃなくて、秋野ちゃんだもの」

僕「どういう事ですか?」

馬子「秋野ちゃんに言われたんでしょ? 文化部部室棟の最上階に悩みを解決してくれる人がいるって。金の髪と碧の瞳、そして人形か妖精と見紛うほどの美しい容姿をした少女がいるって」
以下略 AAS



18:emanon
2020/09/01(火) 22:21:36.29 ID:p7+LgWTZ0
馬子「私はまだ、あなたの事をほとんど何も知らないからね。まずは依頼人の秋野ちゃんに、君の事を聞いてみようかと思って」

僕「というか、秋野に僕の不眠症の解決を依頼されたのなら、もう不眠症を知っていたのでは…?」

馬子「ええ」
以下略 AAS



19:emanon
2020/09/01(火) 22:31:02.17 ID:p7+LgWTZ0
馬子「秋野ちゃんは、彼の不眠症の原因を知ってる?」

秋野「…いえ、分かりません」

馬子「それじゃあ、何か異変は?彼の身の回りで起きた、どんな小さな事でも良いわ、気が付いた事は?」
以下略 AAS



20:emanon
2020/09/01(火) 22:40:52.10 ID:p7+LgWTZ0
馬子「じゃあ、その右手は?」

秋野「…右手の怪我ですか?包帯の?…えっと、分からないです」

僕「ああ、これは怪我じゃなくて後遺症みたいなものです。心臓の手術中に血液が足りなくなって輸血をして貰ったんです。たぶん、それの影響で麻痺が続いていて」
以下略 AAS



21:emanon
2020/09/01(火) 22:50:57.33 ID:p7+LgWTZ0
僕「幽霊じゃないですよ、あれは幻覚で」

馬子「幽霊の名前はアンバー。アンバーは囁く。彼が一人になった時に。どうして私を殺したの?どうして?どうして?…って」

秋野「幽霊なんていません。それに誰も殺してないですよ。そういう事をする人じゃないです」
以下略 AAS



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