102:名無しNIPPER[sage]
2020/09/02(水) 14:50:22.65 ID:+IqVL7Wl0
≪Review by Asuka≫
その夜、蘭子の口から語られたのは、驚くべき内容だった。
別のセカイのもう一人の蘭子との出会い。彼女たちの不思議な交流。絶望に満ちた別れ。そして失意のどん底にあった蘭子の前に突然現れた神崎P。
常識的には信じ難いその物語を、しかし、ボクは全て真実として受け入れることが出来た。
ボクも語った。
幼少の頃に感じていた些細なことから、黒歴史として封印した幾つもの記憶も曝け出した。それに加えて、ALDや“台本”についてもだ。蘭子は終始興味を持ってくれたので、実に喋り甲斐があった。
そうやって、ボクたちはとても長い時間語り合っていた感覚があったのだが、実際には一時間ほどしか経っていなかった。不思議なこともあるものだ。
こうして語り合ったところで、蘭子と共鳴できる確証はなかった。
しかし少なくとも、蘭子が生き方の軸にしている記憶を知らないまま、彼女と共鳴することは土台不可能な話だったのだと思う。
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