羽川翼「それが……我が主人のお望みとあらば」阿良々木暦「決まりだな」
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12:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/08(火) 22:59:07.74 ID:lUuaoiGOO
「しかし、此奴が悪党に成れるとは思わん」
「はい。それについては私も同感です」
「ではどうする? 洗脳でも施すか?」

ハートアンダーブレードさんほどの吸血鬼ならばそれも可能なのだろうけど、主人の主人の力はなるべく借りずに、従僕の私は主人を王にしたかった。

「私が代わりに手を汚す所存です」
「ほう? うぬが?」
「私が阿良々木くんの影となります」

深い深い闇の中で、彼の影に潜む。
そうして世界を掌握して、支配する。
どんな手を使っても。何度手を汚しても。
私は阿良々木くんを、王にする。

「見上げた忠誠心じゃな。大儀と言えよう」
「勿体なきお言葉」
「そうして、我が従僕は綺麗な手のまま、優しい王様となるわけか。実にくだらん戯言じゃ」

戯言と酷評しつつも、主人の主人は上機嫌だ。

「地味で大人しい非常食じゃとばかり思っておったが、うぬは儂がこれまで見てきた人間の中でもとびきり拗らせておるようじゃの」
「私は、幼い頃から虐待を受けて育ちました」
「つまり、拗らせたのは両親のせいじゃと?」
「いえ、その暮らしの中で、気付いたのです」
「何に気付いた?」
「この綺麗で汚い世界を変革する必要性に」

辛い虐待生活の中で、私は世界を変えようと決意した。それは、私が見つけ出した答えだ。


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