15:名無しNIPPER[sage]
2020/09/09(水) 02:24:57.42 ID:FP9CMTOT0
 ―寮監室― 
  
 「待たせてごめんなさいね。可奈ちゃん」 
  
 翼に杖を渡した後、私は寮監を務める歌織先生の部屋に来ていた。 
16:名無しNIPPER[sage]
2020/09/09(水) 02:30:22.39 ID:FP9CMTOT0
 「私はあんな子のために無駄に時間を使ってる余裕なんてないんです!」 
  
 それに私にグチグチ言われてるよりももっと近い技量の子と一緒に失敗しながらワイワイやってる方がいいはずだ。 
  
 私とぶつかり合ってるせいで生意気な子だという印象まで抱かれてしまってる。 
17:名無しNIPPER[sage]
2020/09/09(水) 02:34:33.75 ID:FP9CMTOT0
 「余裕がないってのは『魔王』についてよね?」 
  
 「はい」 
  
 『魔王』、数百年前に突如この大陸に現れ暴虐の限りを尽くした最強の魔法使いにしてこの世界の災厄。 
18:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/09(水) 02:37:32.99 ID:FP9CMTOT0
 >>17の修正 
  
 「余裕がないってのは『魔王』についてよね?」 
  
 「はい」 
19:名無しNIPPER[sage]
2020/09/09(水) 02:40:37.82 ID:FP9CMTOT0
 「あなたが一族の使命を大切にしていることを知っているわ。でも、予言を知っている?」 
  
 あくまで噂レベルだけどとある魔法使いが最後に詠みあげたとされる予言があった。 
  
 今から14年前の夏に生まれたある少女が魔王を完全に滅ぼすと。 
20:名無しNIPPER[sage]
2020/09/09(水) 02:43:01.46 ID:FP9CMTOT0
 「災厄を終わらせる『選ばれし少女』のことですか?」 
  
 ここで話すということはやっぱり。確信を真実に変えるチャンスだわ。 
  
 「やっぱり知っていたのね。なら話が早いわね」 
21:名無しNIPPER[sage]
2020/09/09(水) 02:47:31.15 ID:FP9CMTOT0
 「14年前の夏、人間界で生まれた魔翌力を持つ金髪の少女だけが魔王を永久に滅する。そういう予言が出たの」 
  
 崩れそうな体を意思でつなぎ止める。 
  
 「魔王なら私が!」 
22:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/09(水) 02:50:33.55 ID:FP9CMTOT0
 >>21 修正 
 「14年前の夏、人間界で生まれた魔力を持つ金髪の少女だけが魔王を永久に滅する。そういう予言が出たの」 
  
 崩れそうな体を意思でつなぎ止める。 
  
23:名無しNIPPER[sage]
2020/09/09(水) 02:54:47.34 ID:FP9CMTOT0
 Side 歌織 
  
 「ずるいこと言うじゃないか、歌織」 
  
 可奈ちゃんが出ていくのを見送った後、声がして振り向くと昔なじみがいた。 
24:名無しNIPPER[sage]
2020/09/09(水) 02:58:38.24 ID:FP9CMTOT0
 「別にあの子を死なせろってわけではないさ。予言にすがる気持ちもわかる。たださっきのお前は教師としてあの子に向き合っていたか?」 
  
 リオは私の両肩に手を置いて諫めるように言う。 
  
 確かにさっきの私は私はあの子の祖母、やよいの友人として向き合っていた。 
25:名無しNIPPER[sage]
2020/09/09(水) 03:02:19.61 ID:FP9CMTOT0
 ―翌日― 
  
 「なんであいつが」 
  
 「どうした、可奈? 元気ないな」 
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