47:名無しNIPPER[sage]
2020/09/10(木) 00:23:07.95 ID:EGkFzpej0
 ―数分後― 
  
 「はあああああ!」 
  
 「無駄だ!」 
48:名無しNIPPER[sage]
2020/09/10(木) 00:27:49.53 ID:EGkFzpej0
 地形を利用し、防御魔法を駆使しているとはいえうまく行き過ぎている。 
  
 「何かがおかしい?」 
  
 時々一瞬だけど魔王の動きが鈍っているのだ。そのおかげでどうにか粘れている。 
49:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/10(木) 00:32:50.48 ID:EGkFzpej0
 それならやっぱり私の命をかければ再封印のチャンスはある! 
  
 「ちょこまかとした動きは得意なようだな。ならまずはそこから封じようか」 
  
 魔王が空に魔力を飛ばすと空の様子が一変する。雨が降り、雷が、雹が降り注ぐ。 
50:名無しNIPPER[sage]
2020/09/10(木) 00:39:36.31 ID:EGkFzpej0
 降り注ぐ雨を無害な音符に変える変化魔法。 
  
 対策に練習していた呪文の一つ。 
  
 攻撃翌力こそないけれど視界を奪うことくらいはできる。 
51:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/10(木) 00:46:09.25 ID:EGkFzpej0
 「ははははは! やったわ!」 
  
 魔王の肉体が渦に飲まれて消えていくのを見届ける。これでしばらくの間は魔王の脅威は消えるはずだ。 
  
 「流石にしんどいわね」 
52:名無しNIPPER[sage]
2020/09/10(木) 00:50:36.60 ID:EGkFzpej0
  
 「そんな」 
  
 振り向いた先にはいたのは確かに魔王だった。 
  
53:名無しNIPPER[sage saga]
2020/09/10(木) 00:53:33.26 ID:EGkFzpej0
 あーあ……ここで終わりか。 
  
 私はまだ生きている。けれど魔力ではなく生命力を放出する魔法だから二発目は当分打てない。つまり打つ手はなくなった。 
  
 「お手上げよ。まさか魔王がこんな狡い手を使うとはね」 
54:名無しNIPPER[sage]
2020/09/10(木) 00:58:19.55 ID:EGkFzpej0
 Side翼 
  
 「おい、大丈夫か?」 
  
 「いたたたた。魔王は!?」 
55:名無しNIPPER[sage]
2020/09/10(木) 01:05:04.98 ID:EGkFzpej0
 「なんでそんな無茶しようとするんだ。大体お前はいつも可奈と喧嘩してただろう!」 
  
 「本気にならないわたしにも可奈は真っすぐ向き合ってくれてたんだよ」 
  
 人間界出身のわたしをどう扱うかみんなが戸惑う中、可奈は最初からニンゲンの素人だといいながらも真っ向から一人の人間としてぶつかってくれた。 
56:名無しNIPPER[sage]
2020/09/10(木) 01:09:12.89 ID:EGkFzpej0
 「そもそも行くってどうするんだよ。魔王城なんていろんな魔法に妨害されて見えてる方に向かったって中に入れやしないぞ」 
  
 ホウキで飛んでいくだけじゃダメなの!? どうしよう。 
  
 「あれー? あなたは? こっちにおいでー」 
57:名無しNIPPER[sage]
2020/09/10(木) 01:16:49.09 ID:EGkFzpej0
 「安心するがいい。お前以外もすぐに逝く。寂しい思いはさせない」 
  
 「あーら。ありがとう。あなたも追いかけてきてくれるのね。ただ生憎だけど天国と地獄じゃ会えないわよ」 
  
 せめて最後まで目を逸らすものか。魔王をにらみつける。 
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