39: ◆eBIiXi2191ZO[sage saga]
2020/09/14(月) 21:18:25.87 ID:Od9IjqsH0
  
  翌日。オフであった私に一本の電話が届く。チームの構成について打ち合わせをしたい、ということだった。 
  私は早速事務所へ顔を出した。 
  
 「おはようございます」 
 「あ、楓さん。お待ちしてました」 
  
  ちひろさんが出迎える。 
  彼女の表情は明るさを取り戻しつつある、とは言い難い。 
  時間が人を癒やしてくれるとは言うけれど、そうすぐに解決できるほど人の心は単純じゃない。 
  たぶんそれは、私にも言えることだ。 
  
  会議室には社長さんと、チームのメンバーとなるであろう人たちが集まっていた。 
  先輩プロデューサー、ベテランマネージャー、そして営業兼事務のメンバーがふたり。 
  中心に座る社長さんが言う。 
  
 「うちの事務所で考えうる、ベストメンバーを用意しました。まあ、高垣さん専属とはさすがにいきませんけど」 
  
  それは致し方ない、というか、それが当然だと思う。 
  集まってくれた面々はすでに担当アイドルが複数いるわけだし、引き抜くわけにいかない。兼務というのは至極妥当な話だ。 
  
  
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